デジタル教科書反対!への質問 --- 中村 伊知哉

2013年09月23日 11:35

★一次質問

デジタル教育反対派に「デジタル教育反対派への10の質問」を掲げてみました。
http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2013/03/10.html


★二次質問

が、「質問が乱暴」といった意見が多く、論理的な答えがほとんどありません。
こいつは質問が悪かったと思うので、もっと簡単な質問を4つばかり。お答えください。

1)世界の情報を瞬時に調べる。海外の子どもとつながって対話する。デジタルなら簡単だが、「使わないほうがいい」理由は何でしょう?

2)生徒みんなの考えを電子黒板で一斉に共有して比較できる。デジタルなら簡単だが、「使わないほうがいい」理由は何でしょう?

3)デジタル教育反対:大規模な理科の実験や天体の観測など映像や音声による学習ができる。デジタルなら簡単だが、「使わないほうがいい」理由は何でしょう?

4)映像や音声を使ったプレゼンをして、それを対外的にも発表できる。デジタルなら簡単だが、「使わないほうがいい」理由は何でしょう?

★三次質問

これにも回答はございません。
デジタル教育反対の方からは検証しろとの質問をよく受けるのですが、こちらから質問しても返ってこない。
改めてわかりやすい質問を18問並べるので、「なぜ導入してはいけないか」の観点から反論してみてほしい。

1)OECDが「知識基盤社会」の時代を担う子どもたちに必要な主要能力として「知識や情報を活用する能力・テクノロジーを活用する能力」を提示しているが、これに対する反論いかん。

2)EUは今後の主要能力について母語におけるコミュニケーション力、数学的能力と基礎的能力に並べ「デジタル能力」を掲げているが、これに対する反論いかん。

3)多くの国の研究者が参画して進めている「ATC21S」プロジェクトでは、「21世紀型のスキル」として情報リテラシーやICTリテラシーなどのスキルを提案しているが、これに対する反論いかん。

4)日本視聴覚教育協会が電子機材を用いると生徒の興味・関心が高まり、集中して復習に取り組むようになったなどなど多数の効果・事例を挙げているが、これに対する反論を乞う。

5)乞う反論(以下同じ):文部科学省の調査は「教科書の内容に即したデジタル教材コンテンツを増やしてもらいたい」とする小中学校が92%としている。

6)文科省の調査では「ICTを活用した授業では、95%以上の教員が「授業の質が向上した」「授業改善ができた」と評価している。

7)文科省がICTを活用したものと活用していないものについて理解度テストしたところ、小学校の算数では活用あり82%、活用なし76%との結果だった。

8)同じく社会では活用あり73%、活用なし67%。理科では活用あり87%、活用なし82%との結果だった。

9)総務省一人一台実験校への調査によれば、小学校4-6年生がICTで「楽しく学習できる」とする評価が95%程度。

10)同調査によれば、小学校4-6年生が「コンピュータを使った学習はわかりやすい」とする評価が9割を超えている。

11)同調査によれば、小学校4-6年生が「授業に集中する」「友だちと教え合う」「学習した内容を覚える」とする評価が9割近い。

12)同調査によれば、小学校4-6年生が「じっくりと考えて、自分の考えを深める」と評価するものが8割近い。

13)総務省一人一台実験校への調査によれば、授業中にICTを活用して指導する能力が、ICT導入前は51%だったものが1年後には80%に達している。

14)アップル社によれば、米メイン州の9校で1人1台の学習環境を整えたところ、州の平均レベルであった学力が、2年後には理科、数学、社会のテストの得点が他の中学校よりも有意に高くなった。

15)同じくメイン州の第4学校区では、生徒対コンピュータの比率を3:1から1:1に転換した結果、中学生の出席率が7.7%上昇。同じ時期に問題行動を起こした保護者宛の手紙が54%減少した。

16)ペンシルバニア州アーヴィング小学校では、異なる学年の生徒にノートパソコンを貸与した結果、学年をまたいで連携が生まれ、年長の生徒が年少の生徒を指導するようになった。

17)フロリダ州マナティー群学校区では約6000人の生徒と教員にパソコンが渡された結果、生徒の責任感が向上し、欠席率が減少した。

18)上記を踏まえ、まだ何をどこまで検証しなければ日本だけデジタルを導入できないのか、明確なガイドラインを求める。

(上記の事実やデータは政府等から公開されていて、ぼくも本やブログ等に書いてきたもので、この分野に関心ある方々には旧知のものですし、他にもそんな情報はうんとあります。だから、知らなかったとしたら、それで批判しているとしたら、滑稽というか、ぼくの相手ではありません。

 しばらく待ちました。回答は要らないとは思っておりました。意外なる案の定、何の回答もありません。なるほどなあ、やるなあ。
 ・検証しろと言い続ける
 ・検証データが示されても答えない
 ・懸念は解消されないと言う
 ・だから全面禁止だと言い張る
 このやりかたはぼくが何かに反対するときに使えるかもしれない、と思いました。)


編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2013年9月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください。

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