なぜ企業はCSRをやるのか

2013年09月24日 11:55

リクルートに「CSR」を利用する企業が増え、就職希望者の側も入社したい企業の「CSR活動」を気にするようになってきました。CSRなんて言葉を使わずとも、企業が健全な生産経済活動をしていれば、それすなわち「社会貢献」という気もします。従業員を雇用し、利益を上げて税金を支払うことが、まず基本的な社会貢献、というわけなんだが、それ以外にも環境対策やら説明責任やらステークホルダーとの共存共栄やら、難しいことを言い始める人も少なくない。また就職希望者も、なるべくなら社会に大きく貢献しているような会社に入りたい、と願う人が多いんでしょう。


企業側がCSRをする「動機」には、それによって企業の付加価値を高めたい、という願望があります。これは日本の企業に特に強い。この付加価値を簡単に言えば「評価」や「評判」つまり「レピュテーション」。企業の繁栄あってこそ、経営者や従業員、取引先の「幸福」もある、というわけ。環境対策や説明責任、ガバナンス、コンプライアンスなどという日本企業のCSRは、企業イメージの向上、すなわち企業にとっての「利益」が第一義的な目的になります。利益が目的なので、コストに見合わないCSRは当然やりません。

こうした日本企業のCSRの特徴は、たとえば「不祥事」についての対応で顕著に出てくる。日本企業の場合、不祥事の公表自体がリスク評価につながりやすく、レピュテーションを維持するために公表を控えたり時期をズラしたりしがち。また、飲酒運転など社員が個人で起こした不祥事についてまで企業がコメントを出す、なんてことになります。

一方、欧米の企業におけるCSRは、日本企業とはちょっと違います。たとえば、EU圏では、環境破壊の提言や賃金の格差の緩和、製品の安心安全といった持続可能な社会の実現、というのがCSRの目的になる。とりわけ、グローバル化により企業が多国籍になり、国家の枠組みを超えた存在になりつつある中、CSRを実現できなければ企業の社会的な存在意義はない、という考えが支配的になっています。

また、米国企業のCSRは、エンロン事件などの巨額会計不正事件を受け、まず企業が投資対象になり得るのか、という情報開示や説明責任が重要になっている。企業はステークホルダーの中でもとりわけ株主や投資家のもの、というのが米国のCSRの特徴です。EU圏ではコストを度外視したCSRもサスティナビリティの面から許容される傾向がある。米国の場合、株主や投資家の利益に合致しないCSRは避けるのかもしれません。いずれにせよ、企業不祥事が起きた場合、欧米では社会全体や環境、人権、株主・投資家といった相手への説明責任から、まず公表して情報開示する、という圧力が加わる、というわけです。

表題の記事では、企業が利益の一部を地域の開発に使わなければならない法律がインドにできた、と書いています。企業のCSR活動は、果たして法律で範囲を決めたり規制したり強制したりするべきものなのか、大いに疑問です。ただ、インドではそれだけ地域開発が遅れているんだろう、簡単に言い切れない部分がある。

個々人と違い、法的なものに限らず利益誘導なり社会的圧力なり、何らかの強制力がないと企業はCSRなど自発的にやりません。特に、4四半期ごとに確かな利潤を求められるようになっている昨今、中長期を見越したCSR的経営はなかなか難しい。リーマンショックなどの金融経済状態の変化によって、CSR予算など簡単に削られてしまう、というのが現実です。

かといって、法的に強制するべき問題とも違う。これは雇用と同じ矛盾をはらんでるんだが、企業が倒れてしまってはCSRもへったくれもない、という論理で押しきられるものかどうか、議論が分かれるところ。「サスティナビリティ」とはいったい誰にとっての持続性なのか。もちろんCSRの目的には、特に二代目社長が欲しがる社内ガバナンスやリクルート対策などがあります。しかしやはり、企業にとって「利益」になるCSRしかインセンティブはない、ということなんでしょうか。

CSRのその先へ
CSRって法律だったの? インドで法律化されたCSRの動向とは


毒舌は危ない香辛料で、濫用すれば因果が回ってくる
シロクマの屑籠
ネットというのは、人間の「素」が思わず出てしまう場所なんでしょうか。普段のリアル世界では、毒など吐くような顔をしてない人が、思いもよらない言葉を書き散らかしたりする。しかし、このブログに登場するサイト管理者の方は、別に毒舌家でもなんでもないですね。実際に会ったことがないので、なんとも言えないんだが、メールのやり取りに限れば、礼儀正しいゴクゴク普通の方です。

日本気象協会、「天気予報API」で過去の天気データの提供を開始
マイナビニュース
これは無料じゃありません。初期費用に10万円かかる。基本料金で月に一度でも使えば最低3万円。なかなか高いんだが、これでマーケティングで売上げを伸ばすことができれば、費用対効果は期待できそう、というわけです。「API」ってのは「アプリケーション・プログラミング・インターフェース(Application Programming Interface)」のこと。相互に利用できるインターフェースで、たとえば「総務省の次世代統計利用システム」とか「国会図書館サーチ」などがあります。

かわいくても彼氏が出来ない、彼女たちの「地蔵化」
タイガーナンパーカット
合コンに来る女性たちの中には、外見的に魅力的でも中身がどうもともなわない、内面に魅力が薄い人がよくいる、というブログです。彼女らの側も男性に対して特に強いアプローチをするわけでもない。ブログ主は男性なので、こうした女性の状態を「地蔵化」と勝手に表現している。コレ、特に恋愛に関して、感性が鈍化している、とか、達観している、というような感じもします。だから、容姿のいい女性が年齢を重ねると願望はあっても結婚しにくくなっていく、と結論づけていいのかどうか、微妙なところです。

全てが無料だったら人類はどうなるか?
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パナソニック創業者の松下幸之助が唱えた「水道哲学」は有名です。彼は、街角にある水道の蛇口から水を飲んでいる人を見た。それを誰もとがめない。水がタダ同然であり、かつどこにでもあるものだからです。大量生産により商品の価格がどんどん安くなれば、商品はこの水のようになるだろう、という「哲学」。生産力と効率が飛躍的に向上すれば、ほとんどの商品がタダ同然になるんでしょうか。ロボットが労働する、と言ってもそのロボットを作ったり研究開発する人は仕事をするわけで、エネルギーの問題が解決できない限り「ユートピア」はあり得ない。宇宙空間発電にしても同じです。


アゴラ編集部:石田 雅彦


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