風営法のダンス規制についてつらつらと思うところ --- うさみ のりや

アゴラ

さて11月22日の規制改革会議で風営法のダンス規制について議題にあがりまして、長年議論になってきました「なんで深夜に飲んだり食べたりしながら踊っちゃいけないの?」という問題にいよいよ決着がつきそうな機運がたかまっております。

当日の会議ではダンススポーツ連盟の熱い思いからは六本木の商店街組合の悲鳴から斉藤弁護士の冷静沈着な法律論から議論は多岐に渡ったわけですが、総じて「今の風営法でのダンスの規制の在り方は問題あり」とのことで現場の意見は一致している模様です。ちなみに斉藤貴弘弁護士は音楽とクラブが好きすぎて完全ボランティアでこの議論に身を投じている、純粋な、そしてイカレタ酔狂人です。世の中を変える人というのはこういう人なのだろうな、きっと。

警察の「そうは言ってもクラブの周りの治安は乱れるし、非行の入り口になるし、暴力団との関わりが深いし、、、」という言い分は分からなくもないのですが、他方で現場の「むしろ規制のグレーゾーン化している現状では健全な資本が参入できず、いつまでも反社会組織と警察のいたちごっこになっている」という主張も説得力があるわけです。

VANITY11

クラブと言えば六本木ということで私の地元の港区にとってこれはかなり重要な話題で、実際6月には無許可で朝まで営業していたVANITYが摘発されております。風営法ではダンス営業は許認可制なわけで無許可で営業したことは当然問題なのですが、午前0時以降の営業の一律禁止という法律がそもそも時代にあっているのかという議論も最もです。朝までおどって楽しめる場所が新木場までいかないとないというのはちょっと観光地としてもいかがなものかと。まぁvanityの資本がどうなのか、という論点は別にして。

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ちなみにVANITYはこの後「V2TOKYO」と名を変えて半ばキャバクラ化した出会い系飲食店と化しているようで、「また音楽を楽しむところがなくなった」とその現状を悲しむ声も多数ありますが「いやあそこは始めから女の子目当てで行く人多数だったんだからいいんじゃね?」と思わなくもありません。ニコニコ動画に日々1時間は使い、ようやく「魔法少女まどかマギカ」デビューした私としてはむしろ秋葉原のmograなるオタク型のクラブが気になるところです。

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少し話が個人の趣味にそれましたが、カジノといいいダンスといい風営法の在り方が根本から問われていることは間違いないので、ここは警察庁も腰を据えてその国民の声をそろそろ受け止める時期が来ているのではないかと思う次第です。このまま規制のグレーゾーンが続く限りはクラブ業界に対する健全な資本の流入を妨げ、却って反社会組織のしのぎであり続けてしまうので、 探偵業・古物営業と同じく、ダンスに関しても業法を制定して管理すべき時期が来ているのではないかと思います。実際にwired-cafeなどを展開するcafe-companyのような優良資本も上場を前にスキャンダルは避けようと渋谷のsecoというクラブを閉じてしまいましたしね。

一方で業界側に反社会組織が多いことは事実なので、そちらの対策は対策で進めてプレーヤーを一新するという剛柔両方のアプローチが必要になると思われます。すっかり徳州会問題で名を下げた猪瀬サンですが、おそらくは地位にしがみつくでしょうから、東京人としては文化人らしいこの領域で汚名返上・名誉挽回といってほしいものです。

ではでは本日はこの辺で。


編集部より:このブログは「うさみのりやのブログ」2013年11月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はうさみのりやのブログをご覧ください。