FOMC議事録、バブル警戒を点灯しダウも反応 --- 安田 佐和子

2014年01月10日 20:01

資産買入の縮小を決定した2013年12月17~18日米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録が、8日に公表された。議事録によると、買い入れ縮小の決定につき「労働市場の改善と労働市場見通しの持続的な進展」を挙げた。予算合意を受けた財政リスクの低下も、材料視している。さらに、「買い入れの利点が後退した」とも指摘。金融安定に与えるリスクを「最も懸念」し、量的緩和(QE)縮小を決断したという。ただし資産買入の縮小は「ゆっくりとしたペース」とし買い入れ終了が即、利上げへの規定路線ではないと重ねて強調した。

全般的に想定内の内容だったところ、金融市場に関わるパラグラフが米株一段安の引き金をひいた可能性がある。議事録では、「金融安定と広範にわたる経済にリスクを与えうる脆弱性を示す指標を見直した」とし、金融危機後にレバレッジが縮小し年限の調整も進んだため「リスクは限定的」と評価した。とはいえ、潜在的なリスクに関する協議につき「複数の出席者は小型株における将来の株価収益率、増加しつつある自社株買いの水準、あるいは信用残の増加について言及した」という。1人の出席者は、「レバレッジド・ローンの発行量増加と明白な借り入れにおける平均的な質の低下」を挙げた。FOMCのメンバーの間で、資産バブルのリスクを警戒し始めた様子がうかがえる。

ダウ平均はFOMC議事録公表直後は16450ドル付近でもみ合ったが、同文言に反応したのか一時114.25ドル安の16416.69ドルまで切り下げた。

議事録の内容を受け、ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙は、ジョン・ヒルゼンラス記者の署名記事で、「2014年を見据えた上で、バブルと金融市場の過剰流動性を意識し始めた」と指摘。利上げへの数値目標に対しては、「変更する意欲をみせなかった」とまとめている。

バークレイズのマイケル・ギャピン米エコノミストは、金融リスクが資産買入縮小の決定打ではないの見解を表明した。一方で、テーパリング見通しについては「当方の予想通り1-9月まで100億ドルにとどめ、10月に150億ドルへ広げる」と予想。ただし、10月以降の減少幅は「経済指標および見通し次第」と含みをもたせた。

フォワード・ガイダンスについては、数値目標6.5%の引き下げを6%へ引き下げることが協議された。「数人の出席者」は、目標値の引き下げがFF金利誘導目標を低水準で維持しようとするFedの政策運営と合致すると主張。もっとも、「多数の出席者」は目標値を下抜けた場合に与えうる質的ガイダンスの強化に傾いていた。また「多くの出席者」は、政策決定に対する「インフレ」の重要性を強調すべきとの見方で一致をみた。その上で労働市場をはじめ金融状況、インフレ動向に加え、インフレが長きにわたって長期的目標値(2%)を下回る場合に低金利を維持するとの新しい文言を追加するにあたって「ほぼ全員」が賛同していた。

超過準備金の金利引き下げについては、特に協議されず。リバースレポについては、「円滑に実施された」と評価しただけでなく、今後延長する可能性を示し条件は1月のFOMCで修正する余地を残した。

*上記の内容はアップデート版になります。


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2014年1月8日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。

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