外食チェーンが衰退期を迎えている理由 --- 近藤 弘之

2014年02月09日 06:00

最近牛丼の値下げ合戦が再燃している。価格しか差別化するものがなくなったらその商品カテゴリは終わりに近い。牛丼屋はあくまで「牛丼の味」で勝負すべきで、それを「適正価格」で提供するのが牛丼屋として正しいビジネスのはずだ。

牛丼などの外食チェーンが値段の叩き合いになるのはそういった基本を忘れコストや収益を追求しすぎたせいではないか。牛丼は値段が安いこと以外何の価値もない商品になってしまった。


値下げを繰り返す外食チェーンは共通する特徴は「ベーシックメニュー」にまったく魅力が無いことだ。ベーシックメニューは発展の基礎であり、ツリーの原点に位置する。

ファーストフードでいえば単品の「ハンバーガー」、牛丼なら「牛丼並盛り」がこれに該当するだろう。ラーメン店の場合は単なる「ラーメン」が基礎にあって、そこからスープを変えたり、チャーシューを乗せたりするものだ。

問題は、他のメニューを全部廃止してこれ1点だけで商売が成り立つかどうかにある。べーシックメニューは本来、お客様がメニューを開いたとき左上の一番目立つところに掲載され、それが一番売れていなければいけないものだ。それが隅に追いやられ、単品ハンバーガーのように探さないと見つけられないような扱いをしているとしたらそこが最大の課題だ。

過去に作った原点が現状にマッチしなくなったら一度そこに立ち返って見直す必要がある。それをやらずに収益を改善することはきわめて難しい。ダメなものをベースに発展を考えてもダメなものが出来るだけだ。甘辛いタレを挟んだり卵やネギを入れてどうにかなるものではない。

価格合戦を続けるうちにお客様の満足を目指すべきものがいつの間にか自分たちの収益改善が第一になっている。客単価をあげたいとか、回転をあげたいとかいう話を聞くと、お客を何だと思っているのか疑問に思えてくる。収益の改善や客単価の向上は「あのお店美味しかった」「また行きたいね」といった、お客様を十分満足させたあとで考えてよいことだ。

外食チェーンでは販売をテコ入れするため時々新商品を展開するが、その中には眉をしかめるものがある。マックのメガポテトがその最たるもので、これは利益率の高いポテトを増量したメニューを作ってひと儲けしようという魂胆がミエミエだ。

新商品のアイデアは自分が自分で提供する商品しか食べれらい状況を考えれば自ずと見えてくる。朝から晩まで毎日、自分の店の商品だけを食べたとして、健康で長生きできるだろうか。毎日の食事に満足できるだろうか。そこに足らないものが新しい商品の候補に違いない。

近藤 弘之
創造の館 管理人

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