「桃の節句」は「禊ぎ」の日

2014年02月28日 12:30

陽が長くなってきた、と思ったら、もう少しすると春分じゃないですか。一月は「行く」二月は「逃げる」三月は「去る」なんて言うんだが、年初の三カ月はあっと言う間。あと一回くらい大雪が降りそうなので、まだまだ寒い季節が続きます。

3月3日は「桃の節句」で女の子の日になってるんだが、もともと東アジアでは、男女の別なく春の到来を喜び、農繁期の前に五穀豊穣を祈るような儀式が広く行われていました。「桃の節句」は「雛祭り」や「上巳(じょうみ、じょうし)の節句」などとも呼ばれ、古来から日本に伝わる考えや中国などからの思想が合体し、今日のような形式になった、と言われています。


上巳というのは、3月の最初の巳の日という意味で、3月3日になったのは、中国から伝えられた、その月と同じ数の日を節句とする「重日(じゅうじつ)思想」によるもの。元々は女の子の節句というより、老若男女が春の訪れと農事の成功を祈った儀礼だった、というわけです。

こうした考えの基本に流れているのは、春を祝う祭りと「禊(みそ)ぎ=流し雛(びな)」の発想です。昔の中国や日本では、3月の初めごろ、春の訪れとともに野山や海へ出て遊び、身の汚れをはらい、農耕を始める、という儀式がありました。

中国で今でも行われている「清明」のときの「踏青」などは、その名残だと言えるんだが、日本のお花見や潮干狩りなどもこれに関係した風俗です。清水によって身を清めることを「禊ぎ」と言い、実際に昔の中国では上巳の日に水辺で体を洗ってきれいにし、けがれを落とすという風習があったらしい。

日本では、人々が野山へ出かけて身を清める代わり、草木や紙で人間の形をした「人形(ひとがた)」をつくって海や川に流し、身代わりにして厄災をはらうことが行われました。これが「流し雛」。最初のころは粗末なものでしたが、これが平安時代に「雛人形(ひなにんぎょう)」として細工も凝るようになり、次第に川も汚れ、もったいないので流さず、雛壇(ひなだん)に飾って祝うようになったらしい。これが「雛人形」です。

ところで、和歌山県の加太に「淡嶋神社」という「淡島信仰」の総本山があります。ここの前の宮司が酔狂な人で、近くの深日で引き上げられる「深日青磁」のコレクションを展示した博物館を建てた。加太のあたりは海流が激しく、古来から海の難所です。室町時代、日明貿易で中国の青磁を積んだ船が周辺に沈んでいます。茶道、というのは妙なものに無理やり価値をつけることが多いんだが、海中から上がった貝殻なんかがついた青磁に趣がある、ということで珍重した、というのが「深日青磁」のいわれです。

で、この「淡嶋神社」が人形供養の総本山でもありありとあらゆる人形が奉納され、境内に並べられています。ちょっと壮絶な景観。「淡嶋信仰」と流し雛の関係も興味深い。南西諸島の「ニライカナイ」とも何やらつながりがありそうです。「桃の節句」には、日本人の祖先の一部が黒潮に乗って列島にやってきた、という記憶が刻まれているのかもしれません。

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国内外の固定・携帯電話番号へ低料金で通話ができる「LINE電話/LINE Call」を、2014年3月より日本を含む世界6カ国で開始すると発表
WEB2.0とパソコン講座
SoftBankが食指を動かしているLINEなんだが、安価な電話機能もついたようです。Skypeみたいなもんなんでしょうか。ネットビジネスのマネタイズには、どこも苦戦しています。LINEもスタンプを売買したり、スタンプを企業広告に買わせたり、そんな程度でしか儲けることができていません。この記事では、通話料金の収益が期待できるなら、経営基盤が強化されそう、と書いている。これ、既存の携帯キャリアにとって脅威になるんでしょうか。孫さんはFacebookがWhatsAppを買収したように、ライバルになる存在の芽を早めに摘み取っておきたいのかもしれません。

The Military Is Rolling Out A Combat Equivalent Of Google Glass
BUSINESS INSIDER
「Q-Warrior」という軍事用のGoogle Glass的な装備について書いている記事です。英国の「BAE Systems」が開発したもの。YouTube動画でも紹介されているんだが、各種兵器との併用で兵士の能力を格段に向上させるようです。こうしたウェアラブルな機器を装着し、兵士はどんどんロボット化していく、というわけです。

Whales, ships more common through Bering Strait
PHYS.ORG
クジラの個体数がどう変化しているのか、ちょっとまだわからない部分もあります。シロナガスクジラは絶滅が危惧されているようなんだが、ミンククジラは個体数が増えている、という調査もある。この記事では、ベーリング海峡のクジラ類を音響を使って調べたらしい。シャチはかなり多く、セミクジラの一種であるホッキョククジラもよく見られるそうです。ちなみに、セミクジラの「セミ」とは「背美」のことで、英語では「ライトホエール」という。日本人は、美しい背中、と呼び、欧米人は、殺すとすぐに浮き上がってくるほど軽い、と呼ぶ。クジラをどう考えていたか、よくわかる名前の違いです。

2014年F1マシンがさらに醜くなる?
TopNews
性能は機能美に反映される、などと言うんだが、レーシングカーも同じでしょうか。F1マシンのデザインの歴史は、レギュレーションの歴史でもあります。レギュレーションが変更されると、その範囲内で最高の性能を引き出そうと悪戦苦闘した結果、とんでもないクルマができたりする。ティレル6輪なんかはその典型です。今のレギュレーションでは、ノーズ形状で微妙に性能が上下するらしい。ガンダムみたいでカッコイイ、と感じるヒトもいるんじゃないかと思います。


アゴラ編集部:石田 雅彦


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