「安かろう悪かろう」から脱皮しつつある中国製品 --- 岡本 裕明

2014年04月01日 12:31

皆さんの着ている洋服に中国製がないケースはほとんどないでしょう。いや、むしろ、あれもこれも中国製ということかと思います。そしてそれに対して強い抵抗感を示している人も少ない気がします。今時、洋服を購入する際にタグを見て中国製なら買わないという人は少数派だろうと思います。

確かに何十年か前、イギリスのロンドンあたりではイタリア製の生地に中国人が仕立てるスーツがベストと言われていたのですが、理由は中国人は手先が器用で顧客を十分に満足させるということだったと記憶しています。


その後、中国製の商品が様々な形で問題になり、日本人の間では強い抵抗感を持つようになりました。特に口に入れる商品、例えば粉ミルクであったり、冷凍餃子であったりするわけですが、考えてみれば日本国内でも程度の差こそあれ似たような問題は常に発生しているわけで中国製品を見る判断としては一歩冷静になる必要がありそうです。

そんな中、私は最近の中国製の家電やスマホの発展ぶりに日本が追い越される日はさほど遠くない時期にあるとみています。中国製の白物家電の代表作はハイアールでしょう。日本の家電量販店でもお馴染みになりました。特に冷蔵庫や洗濯機に強みがあり、実は私もハイアールの洗濯機を一つ、日本に持っています。なぜハイアールの洗濯機なのでしょう。昔、中国の農家において洗濯機で芋を洗う際に泥が詰まってよく壊れたのです。ほとんどの洗濯機メーカーは芋を洗わないでください、と注意書きしたのに対してハイアールは芋も洗える洗濯機を作り上げたその発想に拍手喝采だったと言っておきましょう。

もちろん、三洋の白物部門がハイアールの一部になっていることもありますが、全体の売り上げの貢献度からすればわずかです。むしろ基本的にハイアールそのものの開発能力が15年で売上10倍の力となっているのです。

日経電子版には「あなどれない中華スマホ 高機能 安値の理由」という記事が掲載され中国製スマホの品質の高さを指摘しています。中国ではアップルのスマホは市場占有率7%の5位。理由の一つに価格が高いことが挙げられています。トップはサムソンですが、レノボ、クールパッド、ファーウェイが肉薄しており、勢力地図が変わるのは時間の問題のように見受けられます。日経でも指摘していますが、性能はもはや、われわれが使うものと大差がないところまで到達しているとされています。

これはモノの価値観の問題ですが、スマホの性能を100%引き出したい人はほとんどいないはずです。つまり、製品の優劣に対してどれだけの支障が生じるかといえば案外少なくなってきていると考えれば最後の決め手となるブランドとは愛国精神などの全く違うエレメントにより支配されることになるのでしょう。

IBMがコンピューターのハード部門をレノボに売却した際は衝撃的でありました。アメリカがそのハートを売ったとも揶揄されました。が、IBMの当時の経営陣はハードの製造販売は自分たちは卒業するのだ、という意識がありました。そしてIBMは新たなる道を歩み始めるのです。

ところが日本の企業の場合、価格戦争に挑み、真っ向からの対決をするケースがまま見られます。もちろん勝ち抜けばよいのですが、勝てない戦いもあるし、勝ち方もあるでしょう。日本の商品は新興国ではオーバースペックと言われています。世界最高水準をうたい文句にするそのマーケティングはブランディングという点ではすぐれますが、一般庶民が買いやすいかといえば必ずしもそうではありません。

アップルのとったブランディング戦略はあの時代だからこそワークしたともいえ、今、それをやっても必ずしも当たるかといえばその保証はどこにもないのです。つまり、経営戦略とは時とともに大きく変わってきます。それにどう立ち向かうのか、勝負の仕方もいろいろあることを日本企業はもう一度振り返るべきではないでしょうか?

私はズバリ、このままではさほど遠くない時期に日本は製品の販売力で負けると思います。それは家電にとどまらず、自動車を含むすべての製品においてそうなるとみています。中国製が粗悪品だというイメージは戦後直後の日本、そして、一昔前の韓国製と同じで結局一度は通る道、その後は急速に競争力をつけるのだということをしっかり考える必要がありそうです。

今日はこのぐらいにしておきましょう。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2014年4月1日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった岡本氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方は外から見る日本、見られる日本人をご覧ください。

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