Mt.Goxはいまどうなっているのか?債権者による2つの論点

大石 哲之

Mt.Goxの件が、お茶の間のニュースから消え去ってしばらく経つが、現在の状況と論点をまとめておこう。

まず、もともとMt.Goxは民事再生法の適用を申請して、事業を継続しながら、債務を返済していくという方法をとるつもりだった。

しかしながら、裁判所は、現実性のある再生プランがないと判断し、再建を断念。現在は、破産手続に移行している。

管財人の弁護士が選定され、今後破産の手続きが進められる模様だ。

そうしたなか、会社の破産と清算を阻止しようと、現在も、Save Gox.comなどの団体が、Mt.Goxを買収し、再建を目指すという案を提案している。

債権者の多くがこれに賛同して、また管財人も、それが打倒だtみとめれば、再建の道筋がつくかもしれないが、現在の路線は、破産、清算だ。

破産、清算となるとどのような論点があるのだろうか?

日本の債権者と話しているが、私もふくめて、債権者の論点は次の2つに集約されているといってよい。

①ビットコインが、ビットコインのまま戻ってくるのか?

これが最大の論点だ。なくなったコインは85万で、現在見つかっているのが20万だから、もどってくるコインの数は1/4程度になるが、これがビットコインのまま戻ってくるかどうかが大事だ。

ビットコインはお金ではないとされて、他の債権が優先されるとなると、ビットコインを売って、ドルや円に変えて、それで他の債権を払うということになるだろう。

そうしたら、ビットコインは戻ってこないかもしれない。ビットコイン債権者と、ドルや円債権者を平等に扱ってくれるのか?という点がきがかりだ。

また、ビットコインは、ビットコインのままもどってくるのか?かりに20万ビットコイン分のコインが債権者のもとに帰るとして、これを円やドルに換金して、円やドルでもらっても迷惑だ。とくにマウントゴックスが破綻した時のゴックス内の換金レート(160ドル程度)で換金したものが、多額の為替手数料を引かれて戻ってくるというのでは、納得がいかない。

せっかくのビットコインなのだから、ビットコインのまま、返して欲しい。ビットコインのままなら為替の手数料も、送金手数料もかからず、何万といわれる債権者への返還もスムーズだろう。

②のこりの65万コインはどうなったのか?

失われたとされる65万コインについて、どこまで調査をするのか?現在のところ債権者が納得行くような説明は一切出ていない。

警察や、弁護士で調べているというが、そのなかにはビットコインの専門家はいないようだから、調べようにも、無理がある。

債権者で構成される国際的なハッカーにおるリサーチチームを編成し、彼らが資料を分析するといったことが出来ないか?現在ならまだ、多くの人が事件解決に協力的だ。

せっかくのオープンソース・コミュニティなのだから、全部を開示して、コミュニティの協力を仰いた方がいい。そうであれば、もっとコインが出てくる(Goxの嘘がバレる)こともあるかもしれないし、もしくは、本当に盗まれたかもしれない。

前者であれば、経営者の責任を追求し、事件はより進展するはずだし、後者であれば債権者もあきらめが付く。

宙に浮いている65万のビットコインの白黒をはっきりさせるべきだ。

裁判所や管財人は面倒だと思し、さっさとのこっている20万ビットコインを配分しておわりにしたいとおもっているだろうし、警察もあまりつっこみたくないだろうが、65万の消えたコインをウヤムヤにして破産して終わりでは、この事件は痕をひくとおもう。

経営者の横領などの可能性も否定できない中、65万ビットコインのおおくが盗まれたのではな横領や不正にだれかにわたったのだとしたら、時価にして300億円程度という巨額である。このような巨額なものをそのまま放置して会社を清算するのは、どう考えてもおかしいだろう。