聖職者の児童への性的虐待許すな --- 長谷川 良

2014年05月07日 07:44

バチカン法王庁のゲストハウス、サンタ・マルタで5月1日から3日まで児童保護委員会の第1回会合が開かれた。ローマ法王フランシスコが昨年12月初め、バチカン改革審議会後、設置を決定した委員会で、聖職者の未成年者への性的虐待問題への対応と防止策を協議する。同委員会は目下、8人のメンバーから構成されている。第1回会合ではフランシスコ法王も参加した。


委員会議長のショーン・オマリー枢機卿(ボストン大司教)は5月3日、会合後の記者会見で「未成年者への虐待問題では教会側の法的義務と透明性を重点に置いて話し合っていく」という。具体的には、委員会の課題の明確化と委員会の新メンバーのリクルートなどについて、意見が交わされた。

新メンバーには教会以外の児童の権利問題専門家などを集め、児童の保護問題専門委員会を構成していくという。現8人のメンバーは、委員長のほか、聖職者の性犯罪専門家のイエズス会のハンス・ツォルナー神父、自身も性犯罪の犠牲者でもあるアイルランドのメリー・コリンス女史のほか、フランス、英国、ポーランド、イタリア、アルゼンチン出身の専門家たちが加わっている。

バチカン放送独語電子版によると、オマリー枢機卿は「委員会は個々の聖職者の性犯罪を扱うより、教会が聖職者の性犯罪を深刻に受け止めその対応を協議することに焦点がある。特に、性犯罪が如何に悲劇的な結果をもたらし、犠牲者の人生を破壊していくかについて、明確な認識を作り上げていくことが重要だ。同時に、聖職者の未成年者への性的虐待問題に対して隠蔽するなどの教会側の違反行為に対しては毅然とした姿勢で臨む」と述べている。

第1回会合には、ローマ法王の他に、国務省関係者、聖職者省、報道担当官などバチカン関係者が多数同席した。「可能な限り、多くの関係者に問題の実態を知ってほしい」(オマリー枢機卿)という狙いからだ。

委員会は対応策などをまとめ法王に提出し、聖職者トレーニング、教育計画の中に反映させていく考えだ。次回会合は6月の予定だ。

ローマ・カトリック教会は南米出身のフランシスコ法王の人気に助けられ、教会の雰囲気は改善してきたが、聖職者の性犯罪に対する毅然とした対策の履行と共に、聖職者の独身制への見直しについても教会内外の議論が大切だろう。


編集部より:このブログは「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2014年5月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。


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