東京オリンピックで動き出す大きな市場とは --- かわにし のりひろ

2014年05月25日 12:01

東京オリンピックの選手村が中央区の晴海に決まり、色々なチャレンジがされていますが、大体の内容は決まりつつある。問題は、路線価から求める都の財務当局が考えている売値と、デベロッパーが希望する買値の差額をどのように埋めるのか理由を見つけるのが最大の課題である。再開発には2兆円程度のお金が必要だが、今回は、容積緩和とかを中央区や住民が渋っているので、なかなか簡単にはいかない。


この発端は、2016年の招致資料では有明(江東区)であった選手村が2020年では、晴海(中央区)に変更になっている。結論表現が悪いが、中央区はババを掴まされたのである。昼夜間人口差問題をマジックワードに税金収入も少ないけどサービスはしないといけない住宅地域だけをプレゼントされたということである。

しかもこれでパラリンピックをうまく使われて、高齢介護住宅を多めにプレゼントされたら、中央区は非常に大変な状況になる。どの自治体でも民生費を抑えたいのが現状なので。しかしこのシナリオを上手に進めた江東区はさすがである。というか誰かが裏で糸を引いているのだと想像出来る。

オリンピック・パラリンピック(略してオリパラというらしい。ここらへんにもパラリンピックというマジックワードを入れている)に目が行きがちになるが、実際は裏では、IR(統合リゾート)が動き出す。こちらの方が非常に大きな市場であることは確かである。

実際、利権はオリパラにはほとんどなく、皆さんお祭りで大騒ぎしているだけである。お台場や有明を中心に統合型リゾートを作る。有明のスポーツ施設は、仮設が多いのもうなずける。2016年はここが選手村だったので、分譲販売して、人口増加で小学校など建設してしまうと、色々規制されるので、絶対に江東区としては選手村をどこかにもって行きたかったはずである。

しかも対岸の新木場は非常にいい土地がある。もともと木場が示すとおり、木材基地であったが、もうその役目は終了している。木材を荷揚げするために水面と地面は非常にすれすれに設計されており、防波堤の整備などはされていない。従って用地は工業地的な扱いで200%の容積である。

しかも防災上の関係で現在この地域に住んでいる人は50世帯60人程度しかいない。土地としてのポテンシャルは非常によく、東京の主要拠点までのアクセスも非常によい。工業地扱いで現在の地価も安い。たぶん購入時はもっと安かったのだろう。

もしIRの誘致がお台場に決定すると、バックサポートをするオフィースとかサービス施設、従業員の住居などが必要になる。りんかい線は、ほとんどが地下を走っていて、24時間営業にも最適であるし、料金問題が解決すればりんかい線と京葉線の直通運転も可能である。

実際、特別列車などは、乗り入れをしているので技術的には何も問題ない。料金問題の解決には、JR東日本が筆頭株主になればいいので、東京都が株式売却を実施すればいいのである。これも利便性向上などを理由にすれば誰も反対しない。

しかし、今から見え見えのIRのバックオフィースのために再開発とは言えないので、理屈を作る必要がある訳で、それが「新しい時代の木のまちに暮らす」のようなテーマになる。木材産業の物流拠点に新しい機能を付け加え、水辺の環境と眺望を生かした新しい街とする。国内の木材利用活性化といえばすばらしいマジックワードなので産業再生にもつながると思える。

オリパラで人々が騒いでいる間にこっそりIRを実施する。少しビジネスを考える人はIRの設備や施設に目が行ってしまう。しかし本当に儲ける人は、ちゃんと再開発シナリオをしっかり構築している。

再開発する言い訳と実際の建設や内容が大きく異なってしまっても仕方ないことであるが、このシナリオすばらしいと言うしかない。投資の格言では「人の行く裏に道あり花の山」なんだと、私もこんなシナリオを描けるシナリオライティングをしてみたいと思う。

しかし、東京のマンションは江東区、動き回るところは豊洲や東雲その他、仕事でラスベガスも2回なんて幸運な人生だとこの偶然にも驚かされる。

かわにし のりひろ
会社員 コラムニスト 
マルハビ日記

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