都議会の野次問題で感じること

2014年06月25日 13:26

おそらく職業柄なのでしょうか、まだ女性の社会進出がかなり遅れていた時代を過ごしてきた団塊の世代なのですが、若い頃から、周囲にはデキル女性の人たちもいて、最初に勤めた会社では管理職の方もいらっしゃいました。その後もいくつかのプロジェクトでは女性の方と一緒に仕事をしたことも少なくありません。しかも、市場での購買決定権をもつ、あるいは影響力をもつのは女性だという商品やサービスの分野が多く、「お客様は神様」という感覚が染み込んでいるせいか、女性に罵声を浴びせかけるという感性には違和感を持ってしまいます。ところで、都議会での野次そのものは先日書いたように、早々と謝ればよかったことだと思いますが、感じたことを書いておきます。


第一は、情報の拡散の速度も広がりも中途半端でない時代だということです。国内のネットでこの問題が拡散していっただけでなく、さらに、先進国のメディアがこの問題を取り上げ、あっというまに世界中に「日本の恥」として拡散したことです。女性問題にナーバスな先進国の感性に反したものだったからでしょう。
しかし、面白いことに、韓国の日本語版のいくつかのメディア検索してみましたが、あれだけ日本の政治家の発言、また一挙手一投足に神経をとがらしているはずの韓国メディアでは、取り上げられていないことです。また人民網日本語版でも記事は見当たりません。東洋文化と西洋文化の違いでしょうか。

第二は、都議会が幕引きを急ぐために、「正直者が馬鹿を見る」という事例をつくってしまおうとしていることはいかがなものかと感じます。
この前に書いたことと重なりますが、ついつい威勢よく野次ってしまい、それが問題視されたなら、すぐに謝罪すればよかったことです。しかし鈴木都議は野次っていないと否定してしまい、後になっておそらく圧力がかかって名乗りをあげて、謝罪するということになったのでしょう。みっともない話です。

ただ、野次としては鈴木都議の「早く結婚しろ」よりも、後の「産めないのか」の野次のほうがたちが悪いと感じています。産みたくとも産めない人もいるのですから、傷つく人もいます。そのたちの悪い野次を飛ばした都議会議員がダンマリを決め込んでいて、それが看過され、責任も問われないままに幕引きをはかるというのは感心しません。

それでは遅ればせながらも、名乗りをあげて謝罪した鈴木議員がスケープゴートになったことになります。場末での居酒屋での出来事ならいざしらず、それを世界に名だたる大都市、日本の首都の東京都議会という公の場で認めるというのは、子どもたちに悪影響をもたらすばかりか、社会のモラルの荒廃にもつながってきます。「悪いことをしても見つからなければいいんだよ」となります。
海外メディアも注視しているので、また「日本は特殊な国」だとして、恥の上塗りとなるかもしれません。
塩村都議「産めないのか」発言で告訴も 外国特派員協会で108人を前に会見 – MSN産経ニュース

いずれにしても、世の中は「水清ければ魚棲まず」という面もありますが、「真美善」に照らし合わせる、「筋を通す」ということも大切で、その絶妙なバランスで成り立っているのが社会だと思います。そのバランス感覚を失わないように願いたいものです。

第三は、前回の選挙で水膨れした自民党のリスクは内部が腐ってくることにあるということです。都議会だけでなく、物議を醸し、石原環境大臣が謝罪した「最後は金目」発言を問題視し、国会でその発言を引用した民主党議員に対して、「正しいよ!」という野次が飛びました。
たとえ、そう思っても、そんな野次を飛ばす影響を想像できないのは、馬鹿としかいいようがありません。そんな議員に税金を使うことは無駄そのものです。その常識やセンスが疑われますが、こちらも安倍内閣の足をひっぱります。

国民もメディアもそういったことにも敏感なので、本質とは関係ないところで火種ができてしまうということでしょう。しかし水ぶくれである限り、粗悪議員も数多く含まれているので、問題が今後とも起こってくる可能性を感じます。

とくに成長戦略で岩盤規制を崩そうとすれば、既得権益とつながった人たちの抵抗も激しくなってくるので、自民党が内部から崩壊というシナリオもありえない話ではなく、その時に政界再編が起こってくるのかもしれません。

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大西 宏
株式会社ビジネスラボ代表

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