都議会ヤジ決議案に断固とした対応を取った議員リスト --- おときた 駿

アゴラ

「ほかのヤジ」調査案否決へ…都議会幕引き図る

昨日のブログでご案内の通り、本日の本会議ではヤジ問題について再発防止と信頼回復に努める決議案が採決され、事前の予想通り我々と民主党が起草した議案は否決をされました。

3つの議案が提出され、みんなの党Tokyoはこのうち2つに賛成という複雑な立場を取ったため、解説をさせていただきます。

まず、自民党・公明党などの大会派を含む5会派が共同提案者となった

「東京都議会信頼回復決議案」

今回の事態への総論として提出されたもので、再発防止・信頼回復に都議会が努めていくのは自明のことであり、記載の内容にも異論がないことから共同提案者となりました。

00001


一方で、他の不規則発言について不問なままでの幕引きは許されることではなく、名乗り出た発言者個人の対応も都民の信頼回復に足るものではないと判断し、

「発言した議員の猛省」
「他の重大な不規則発言をした議員についても、潔く名乗り出る」

ことを求める決議案を、民主党と共同で作成・提出しました。

00002

多くの有権者に政治不信を与え、海外メディアにまで波及する事態を招いた議会として当然の決議であり、こちらにも多くの会派がご賛同いただけると考えておりましたが…

大会派の所属議員による反対で、結果として圧倒的に否決されることとなったのは、本当に残念極まりないことです。

「都議会にはやはり、自浄作用がないのではないか」
「あれだけのことが起きても、『この程度』の決議のみか」

という世論の声は当然あるものと思いますし、議会の中で精いっぱい努力しましたが、これが今の限界でした。

私どもの完全な力不足です。誠に申し訳ありません。

しかしながら、政治は一気に変化するものではないのも事実です。世論が空気を変え、発言した議員が自ら謝罪を名乗り出て、さらに一国の首相までも動かしたことは、大きな一歩と言えるのではないでしょうか。

議会は、選挙で選ばれた議員たちで構成されるものです。都議会の選挙は3年後と、ずいぶん先にはなりますが、最終最後は有権者の皆さまの判断を仰ぐことになります。

希望は、あります。

今回の問題を極めて重大な事態と捉え、真摯に議会改革・女性の地位向上を訴え、私たちの起草した決議案に賛同(共同提案・作成)して下さった議員も大勢います。

以下は、その全議員たちのリストです。
(名前のクリックで、HPに飛びます)

▼民主党

石毛しげる 議員

山下太郎 議員

酒井大史 議員

尾崎大輔 議員

中村ひろし 議員

島田幸成 議員

新井ともはる 議員

斎藤あつし 議員

今村るか 議員

小山くにひこ 議員

大西さとる 議員

あさの克彦 議員

西沢けいた 議員

田中健 議員

中山ひろゆき 議員

▼都議会生活者ネットワーク

西崎光子 議員

山内れいこ 議員

小松久子 議員

(順不同、役職略)

そしてわたしたち、みんなの党Tokyo4名。

127名中22名では議決に及ぶことは決してありません。それでも、全会一致でなければ本会議にすら提案できないのが原則の「決議案」をなんとか議会に届け、皆さまの衆目の下に公開することができました。

そして、この決議案が否決されたことをもって、皆さまからの審判・ご意見を賜りたいと思います。

なお、本日の都議会の開会が大幅に遅れたのは、共産党さんから

「特定された不規則発言者は、本会議での謝罪すべし」

という旨の動議を発案したいとのあり、協議に時間を要したためです。結論としては、「懲罰を求めるのは3日以内」という原則になじまない等の理由で、本会議の俎上に上がることはありませんでした。

議会には様々なルールがあり、「採決」にすら持ち込むことは容易ではありません。(このメカニズムについては、本当に本が一冊書けるかもしれません)

この結果、不規則発言をした議員本人は記者会見のみの謝罪で、議会などの公式な場での謝罪はすることなく放免されるわけですが、それに対するご判断も有権者の皆さまに任されたということになります。

私たちの今後の動きですが、

・議会改革を話し合う場の速やかな設置要請
・塩村議員による、処分要求不受理への異議申し立て(審決申請)

については、引き続き進めていきます。お問い合わせの多い声紋鑑定に関しては、選択肢としては排除していないものの、状況と物理的な実現可能性を鑑みて、調査・検討していく運びとなります。

詳細は幹事長談話に記載しておりますので、こちらをぜひご覧くださいませ。

第二回定例会 幹事長談話が発表されました

私の元には、これ以上は言った言わないの犯人捜しに拘泥することなく、都政や改革を前に進めてほしいとの意見も多く寄せられています。そして一方で、

「もうこれで、何も変わらないまま終わりなんですね」

という失望の声も、たくさん届いています。しかし、繰り返しになりますが、『何も変わらない』とは思いません。

逃げ切るつもりだった議員本人と所属会派が、謝罪しました。国政政党の責任者も、首相からも発言がありました。議会の中の空気も、少しずつ変わってきています。

何も変わらないかどうかは、これからの我々の行動次第。

政治に声を届け続けること。一過性の騒ぎに終わらせるのではなく、この事件を忘れることなく、次回の選挙に必ず行くこと。

議会の中での無力さを痛感し、皆さまのご期待に添える決議案を採決できなかったことを真摯にお詫びするとともに、今後も私の立場でできる限りの活動を続けていきたいと思います。

それでは、また明日。


編集部より:この記事は都議会議員、おときた駿氏のブログ2014年6月25日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださったおときた氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。