あくまで憲法を守りたいリベラルのあなたへの手紙

2014年07月02日 21:48

集団的自衛権に関する憲法解釈変更の閣議決定があってから、テレビのニュースや新聞が、そしてツイッターやブログが、まるでこの世の終わりが来たかのような論調が爆発していて、私も自称リベラル派の一員として、逆に危機感を覚えています。

あまりにオドロオドロしいし、中には陰謀論だとか、安部氏個人の資質に対する酷い人格攻撃があったりして、そういう方向で話が盛り上がれば盛り上がるほど、余計にこの流れは止まらないということになりそうです。

一方向的な言論に一方向的な反論をぶつけて、ふぅ、スッキリ!(ってそれを叫んでいる人はスッキリしたかもしれないですけど)・・・という状況は、だんだん辞めていきたいですよね。


今の安倍政権が「これだけのことができている」状況は、(選挙システムに問題があるんだとか色々言いたいこともあるでしょうが)やはり安倍政権側が悪逆無道で無責任な戦争したがりなだけじゃなくて、それに対抗する人たちの「言ってること」が、今までいつも「一方向的」すぎて、「相手側に全ての責任」を負わせてしまうようなタイプのものしか提示できなかったことが、やはり一周回ってきて原因なんじゃないか、という観点をちょっとでも持たないと、お互いの意地の張り合いがさらに引くに引けなくなって、ほんとうにこのままズルズルさらに・・・ってことになりかねませんよ。

だから、自分がカッコイイこと言えてスッキリ!ってだけに終わらないような、「相手側の理屈も包含するような立場」を、「アンチ安倍側」の人間が考えだしていかないと、相手の価値観において相手の中では完全に論破されている(それが正しいかどうかは異論があるでしょうが)意見のツブテを全力で投げつけているだけでは・・・ねえ?

で、なんとかしたい・・・と思っており、かつ私はずっと「こういう問題」をなんとかしたいと思って先日そういう趣旨の本を書いたぐらいですから、

「あくまで憲法を守りたいと思っていて、日本の現状に本当に危機感を抱いており、今まで通りの紋切り型のツブテを投げているだけじゃあダメなんじゃないか?と思い始めているリベラルのあなた」

のために連続して「どういう方向で押していくべきなのか」を大まじめに考える「手紙」を書きます。

まず、なぜこの問題は「一方向的に批判するだけでは解決しないのか」について、例をあげて考えてみたいと思います。

3人の登場人物を想像してみてください。

一人目  先生さん
二人目  優等生くん
三人目  不良の生徒(ヤンキーさん)

今の世界にはこの三人のキャラクターがいて、お互いの思惑がぶつかり合っているのでイザコザが絶えません。

先生さんは先生さんなりに譲れない方針があって教室を運営しています。(もちろん、その先生さんにも色々と下心があって完全に聖人君子ではない部分もあるでしょう)

それに対して、多少胡散臭い部分も嗅ぎつけているヤンキーさんは徹底して反抗しています。けっ、やってらんねーぜ!なんだセンコー!文句あんのかぁ!

そこで、優等生くんは難しい立場に立たされます。先生におべんちゃらを言いまくってベッタリになったら、良い成績はつけてもらえるかもしれないが、ヤンキーさんたちから裏切り者扱いされます。いじめられるかも?などと常にビクビクしてなくちゃいけません。そうだ、「有事」に備えなくては!

とはいえ、よく考えてみると、先生さんの運営方針はやっぱり杓子定規すぎて、息苦しいし先生自身も無理をしているように見える。じゃあいっそ、俺も不良になっちゃおうか、ヤンキーさんとつるんで、制服を改造してタバコ吸って、リーゼントでキメて、けっセンコー!とか言ってみようか?・・・なんか、それもねえ?

さて、「どんな存在」がこの教室にいたら、一番「良い形」になるでしょうか?

それは、

「ヤンキーさんに一目置かれるような優等生」

です。

ヤンキー側に100%流れもしない。先生側に100%ベッタリにもならない。でも先生側の方針の良い部分を、ちゃんと尊重することはする。そして、その「先生の世界観」の杓子定規すぎる部分を緩和した形で、ヤンキーさんとも自然な共感関係が維持できている。

そういう人がいてくれたらなあ・・・・って、実は先生もヤンキーさんも思ってるんですよ!

先生とヤンキーさんが直接ぶつかったら、ほんと喧嘩になります。お互いの一番大事にしている価値観同士がぶつかるからです。でも、優等生さんがその間に入ってくれたら、世界は丸く収まる可能性だってある・・・はずです。

さて、この3人がイメージできたら、

先生さんをアメリカに。
優等生くんを日本に。
ヤンキーさんを「有事」をもたらすタイプの国々に。

置き換えてみてください。

アジアの周辺諸国の話を始めると別の問題が紛れ込みすぎるのでとりあえず今回はおいておきますが、例えば中東のアメリカと対立している国々のことを考えてみます。

中東の「ヤンキーさん」たちは、案外親日的な国も多いんですよね。「リッダ闘争」的な過去の左翼さんの繋がりから脈々と続く日本人の真心的な活動が伝わっているってのもあるでしょうし、そもそも「アメリカンな押し付けがましい価値観」に対して色々苦労しながら、独自の文化を守ろうとしている「同志」みたいな感覚もベースにあるんだと思います。

でね、ここで優等生くんは、「ヤンキーさんと直接仲良くなれる才能(先生さんにはないもの)」を発揮していくべきです。しかし、自分自身が一緒になって「アンチ先生」方向で結託して一緒になってグレていってしまったら、先生さんも困るし優等生くんも困るし実のところヤンキーさんも困るんですよ。

この、”ヤンキーさんも困る”ってのがわかりづらいかもしれませんが、”アラブの春”で親米政権を革命で潰したのはいいが、逆に宗教原理主義者ぐらいしかまとまったリーダーがいなくなって余計に普通に生きている人が生きづらくなった・・・みたいな因果関係をイメージしていただければと。だから”バランス”が大事なんですよね!

「先生さんの良いところ」が消えないように、でもそれが杓子定規すぎてみんなが息苦しくならないように・・・っていう「バランス」が大事なんですよ。どれかが絶対的に正しいなんてことはない。

でも、やっぱついつい、「ヤンキーさんたちと結託して、けっ、センコーどもはほんと最低ェーだよな!」って言ってるのってちょっと楽しいですから、ついつい、そうなってしまいそう・・・・になりません?

で、

あまりに「ヤンキーさんたちと結託して先生さんをクサす方向の言論」が過激化してしまうと、実際にそうなってしまわないように、逆に過剰なまでに「先生さん」にすり寄って自分をガンジガラメにするエネルギーも必要になる

んですよ。つまり、

「安倍政権が時にやり過ぎちゃうこと」と、「安倍政権を一方向的に批判するときに過去何十年と使ってきたパターンの言葉」は光と影にすぎない

わけです。安倍政権に対して、過去何十年と使い古された「一方向的な批判」をすればするほど、安倍政権がどうしてもさらに「やりすぎ」なくちゃいけなくなる因果関係があるわけです。

大事なのは「バランス」を取ろうとすることに集中すること。ですよね?

世の中に先生さんと優等生くんしかいなかったら息苦しいですし、ヤンキーさんしかこの世にいなかったらカオスすぎて困ったことになるでしょう。だから、この3者はお互いを必要としていて、じゃんけんのグーチョキパーみたいに天下三分の計的活かし合いの関係なんですよ。

でも、先生さんとヤンキーさんは、キャラ的に融通が効きづらいですから、そのへん、間に入る優等生くんが、うまいこととりなしてあげられれば、いわゆる「諸国民の公正と信義に信頼する世界平和」への道がひらけますね!

それができたら、一方向的に押しまくり合うだけで常にどっかで火種が噴出し続けているこの世界に、「日本って存在があって良かったなあ!」ってみんなに思ってもらえる方向性が実現できますよ。

でもそれは、ただ単に「アメリカが悪い」「安倍が悪い」て方向で一方的なことを言うことが、いかに状況に解決に繋がらないか、ということを我々が心底まで理解することが第一歩なんですよね。

それにね、あなたの「敵」に見えている「右」の人たち、安倍政権を支えている人たちだって、「アメリカの言いなり」なことについてはハラワタ煮えくり返ってるんですよ。でもただ「拒否」するだけじゃ余計に縛られるんですよ。

「先生」の立場をわかってやれる「その上の存在」になってこそ、本当の意味で「アメリカの言いなり」を辞めれるんですよね。

そこまで行けたら、案外「逆側にいるあの憎き諸悪の根源さん」たちも、案外同じ「怒り」を持って行動してたんだな、って思うようになりますよ。

これから、そういう方向で、我々日本人が「どうやって」今ここにある危機を乗り越えて、あたらしい「これぞ21世紀のスタンダードだぜ!」というような道を世界に示せる存在になっていけるか・・・・という「手紙」を、あなたに書いていこうと思っています。ご期待ください。

投稿は不定期なので、更新情報は、ツイッターをフォローいただくか、ブログのトップページを時々チェックしていただければと思います。

ちなみに、この話はすでに私の著書「日本がアメリカに勝つ方法」で詳述したテーマを、今回の状況に合わせて再構成していこうとするものです。ご興味があれば本の方もよろしくお願いします。(”はじめに”部分がこちらで全文読めます)

倉本圭造
経営コンサルタント・経済思想家
公式ウェブサイト→http://www.how-to-beat-the-usa.com/
ツイッター→@keizokuramoto

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