「エノラ・ゲイ号」の最後の搭乗員、死す

アゴラ編集部

日本は「唯一の被爆国」です。あれから69年経つんだが、毎年8月6日、8月9日には、広島と長崎で追悼式典が開かれます。三発目の原爆も準備されていたとか、長崎の場合、当初は小倉がターゲット候補だった、など原爆についての逸話も少なくありません。

広島へ原爆を投下したのは、マリアナ諸島テニアン島から発進した「エノラ・ゲイ(ENOLA GAY)号」というB29でした。この名前は、同機の機長の母親からとったらしい。これについて、副機長はあまりいい顔をしなかった、と言われています。


同機の搭乗員は12名で、ボール・ティベッツ(Paul W. Tibbets, Jr)機長が2007年11月1日に亡くなるなど、そのほとんどは鬼籍に入っています。12名の中で最後の生存者だったセオドア・ヴァンカーク(Theodore VanKirk)氏が亡くなったのが今年7月28日。同氏は「エノラ・ゲイ号」のナビゲーター、航法士でした。

また、長崎に原爆を投下したB29「ボックスカー(Bockscar)」の搭乗員もすでに全員が亡くなっており、原爆を投下した乗組員で生き残っている人物はこの世にいなくなった、というわけです。これは、同氏の生まれ故郷から広島へ、という副題がついたヴァンカーク氏の著作『My True Course』の紹介サイト。「ダッチ(Dutch)」というのは彼のニックネームです。

一発一瞬で多くの死傷者を生み出す「原爆」という「最終兵器」を実際に人間へ投下した兵士たちに、その後、葛藤がなかったとは思えません。しかし戦争は国家的ミッションであり、軍人であれば命令に従わざるを得ない。

ヴァンカーク氏は「原爆投下により結果的に戦争が早く終わり、多くの日本人の命も助かったと信じている」と語りつつ「しかし、戦争は何も解決せず、核兵器は残らず廃絶されるべきだ」とも考えていたようです。ともあれ、同氏の著作のタイトル『My True Course』に示唆されるように、自分が実行した任務を正当化せず、残りの人生をまっとうすることは難しかったのかもしれません。

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広島へ原爆を投下後にテニアン島の基地へ帰投したエノラ・ゲイ号。Max Desfor / AP

NavyTimes
Last crew member of Enola Gay dies


Facebook Is Forcing Messenger on Users and They Aren’t Happy About It
Mashable
アプリを使ってのメッセージのやり取りより、チャット形式のメッセンジャーアプリを推奨しているFacebookなんだが、ユーザーはそれについて不満に感じている、という記事です。Facebookは将来的に、メッセージをすべてメッセンジャーアプリに統合したがっているようなんだが、そんなことをすればユーザーの大部分は直ちにFacebookなんか使わなくなるでしょう。世界的に、もうFacebookなんかウンザリ、という人が増えていて微笑ましい限りです。

25 Gorgeous Pools Everyone Should Swim In Once
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残念ながら日本のものはないんだが、世界の25のゴージャスでユニークな「スイミングプール」を紹介している記事です。この中では、チベットやベトナムのプールが珍しい。アフリカ、タンザニアのフォーシーズンズホテルのプールは、すぐそばでアフリカ象が水浴びしてたりします。こんなプールでゴロゴロしてたいですね。
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Facebook、Four Seasons Safari Lodge Serengeti, Tanzania

Why Haven’t We Encountered Aliens Yet? The Answer Could be Climate Change
livescience
これは、地球外知性体、エイリアン、はまだなぜ地球に来ていないのか、という問いに対する答えです。地球外生命体の可能性は高いんだが、人類と同じかより高度な文明、技術を持ったエイリアンが誕生する確率は、考えられるよりもずっと低いんじゃないか、という話。なぜなら、我々の地球はその人生で「奇跡的」にそれほど大規模な気候変動を受けてこなかったからであり、知的生命体が確立されるための数億年、数十億年の単位で惑星が安定的な状態を保つことは難しいからだそうです。太陽系の火星にもかつて、わりと豊富に「水」があったらしいんだが、いつしか乾燥して高温の惑星に変わってしまった。そういうことが起きれば、生命体が人類のようにその進化を極めるのはごくごくレアなケースなのかもしれません。

ピラミッドの石を運ぶ方法がついに解明
GIZMODO 日本版
実際にやってみると、なかなか難しい問題がたくさん出てくるのが技術です。人類は古来、こうしたハードルを越えてきた。ピラミッドってのは、驚くほど正確無比に作られている構造物なんだが、あれを構成する巨石をどう運んだのか、よく知られています。船に乗せてナイル川を下ったり、コロに乗せたり、ソリに乗せたり。しかし、重量が重すぎて難しい部分もある。この記事では、それをどうやって克服したのかわかった、と書いている。5000年前のことをまるで見てきたような研究者の話です。


アゴラ編集部:石田 雅彦