朝日新聞「大誤報」の歴史

2014年08月08日 13:42

昨日8月7日の「言論アリーナ」は「朝日新聞『大誤報』を検証する」というテーマで生放送しました。ご承知の通り、朝日新聞はいわゆる「従軍慰安婦記事」について、これまでの報道を正し、記事を取り消しました。

放送ではこれを踏まえ、いったいなぜこんな「大誤報」が20年以上も放置され、間違いが訂正されず、日韓関係の外交問題に深刻な影響を及ぼし続けたのかを考えました。さらに、昨今の「原発報道」にみられるような朝日新聞の「意図的な事実誤認」や「自分たちに都合のいいストーリーありき」の報道姿勢を批判しています。見逃した読者は、ぜひYouTubeに再掲される予定の放送をご覧ください。


そもそも朝日新聞について言えば、従軍慰安婦報道にせよ原発報道にせよ、これらが「初犯」ではありません。戦前戦中には、軍部におもねり好戦的な大衆に迎合し、結果的に日本を大戦争へ引っ張っていった元凶の一つであり、さらに戦前戦中の反省が戦後の朝日新聞にあったかどうか、大いに疑問です。

なにしろ、朝日新聞には、大正デモクラシーに乗じてリベラルを気取り、軍縮を煽動したものの、軍部が勢いを増してくるや満州事変を礼讃し、在郷軍人会の「不買運動」に悲鳴を上げて変節した「前科」があります。そのため、満州事変前の1931年5月に約140万部だった発行部数が1938年1月には100万部も上乗せしました。
00003ミッドウェー海戦紙面
ミッドウエー海戦の大勝利という「大本営発表」を伝える戦時中の朝日新聞。

また、日本が敗戦直前、原爆が落とされ、政府がポツダム宣言を受諾したことを知りつつ、8月14日にはなおも国民を「一億火の玉」や「本土決戦」と煽り立てていたわけです。しかし、玉音放送が流れて敗戦決定となるや即座に「反省」社説を掲載する驚くべき変わり身の早さを発揮している。敗戦直後はさすがに一部幹部が辞任したものの、公職追放が解除されるや村山・上野という朝日新聞の創業者は経営に復帰しています。

その後の朝日新聞は、今度はGHQにおもねって「反軍国主義」を標榜し、その延長で「自虐史観」を展開して冷戦構造下で「社民的左翼」の立ち位置を確保し、部数を伸ばしてきた。戦前戦中の総括をしっかりせず、なし崩し的に戦後日本を代表するマスメディアとして居座り、君臨し続けてきた、というわけです。

朝日新聞の「誤報」や「記事捏造」は、これ以外にも枚挙に暇がありません。たとえば、1950(昭和25)年9月27日には、レッドパージによって団体等規正令違反で逮捕状が出て地下に潜伏中の日本共産党幹部、伊藤律と会見に成功した、との記事の「捏造」をしています。

また、1960年代から80年代にかけては、北朝鮮や中国の「計画経済」礼讃記事を書き、多くの犠牲者を出した文化大革命と毛沢東路線を賛美して「南京大虐殺」を材料にした「反日キャンペーン」を展開。さらに1975(昭和50)4月19日の記事では、300万人以上と言われるホロコーストの元凶であるカンボジアのポル・ポト政権の政策を「アジア的優しさ」などと報じています。

今なお語り継がれる有名な「捏造」記事では、1989(昭和)年4月20日の記事、いわゆる「朝日サンゴ記事捏造事件」があります。これは、記者が沖縄のサンゴに自分で「KY」と傷をつけ、その写真を撮ってモラルの低下や環境保護を訴えたもの。この「捏造事件」により、当時の一柳東一郎社長は引責辞任しています。

朝日新聞を含めた大マスメディアの経営環境は、極端な寡占状態が長く続いています。競合を締め出した経営陣は、放漫な経営をしても多めに見られてきた。また、社員も大手新聞社やテレビ局へ入社し、記者クラブに代表されるような独占的報道に携わる自らを「エリート」と自認し、傲岸不遜な態度が目に余るようにもなっています。

「従軍慰安婦記事」の訂正に長い時間がかかった朝日新聞にも、独善的に無謬性を誇る読者不在の体質が染みついているんでしょう。今回の特集記事や訂正文の内容や表現、語句の使い方などを詠むと、そうしたプライドが滲み出ている。

朝日新聞には、正直に自らの過ちを振り返って読者と国民へ謝罪し、記事の「捏造」を認めることまで含めた踏み込んだ反省の弁が必要なのではないかと思います。「サンゴ記事捏造事件」では、社長が辞任している。今回の「記事訂正」は、社会的にも政治的にも外交にも、あの事件よりその影響が遙かに大きく重く深刻なのは確かでしょう。

『永田町時評』NewsSUN
これが真相だ!朝日新聞の「慰安婦誤報」事件を考える


When Robots Write Songs
The Atlantic
バッハやレノン=マッカートニーなどが作ってきた傑作音楽の数々は、データ分析とプログラミング、ある種のアルゴリズムによって人工的に再現可能のようです。ようするに、ロボットは音楽を作ることができる、ということなんだが、これは、ジャズのインプロビゼーション、アドリブのように複数の演奏者が即興で音楽を紡ぎ出したり、ライブでアーティストが感情を込めて歌う歌に感動するようなことは機械には難しいんじゃないか、という記事です。

Bach style chorale Emmy David Cope「バッハっぽい」音楽。でもどこかちょっとだけ変。

Earth May Be in Early Days of 6th Mass Extinction
livescience
地球には生物種のほとんどを死滅させた「大絶滅」が、5回、起きている、とされています。この記事では、現在は「第6回目の大絶滅」の入口にいると考えられる、というもの。これは気候変動や隕石の衝突が原因ではなく、人類の生産活動により、多種多様な生物種が死滅しているかららしい。そのうち、この地球上には、細菌類と限定的な植物、そして人類しかいなくなるかもしれません。

Surf the world’s most extraordinary waves with drone videos
QUARTZ
ドローン、無人飛行機にカメラ「Gopro Hero3+」を搭載し、サーフィンのビッグウェーブを撮影した、という話なんだが、動画を見ると大変なことになってます。場所は、ハワイ、マウイ島北岸。地形と低気圧により、年に12回ほど、巨大な波「ジョーズ」が出現するらしい。しかし、人間ってのは、どうしてこんな「無駄」なことを一生懸命やるんでしょう。不思議な生物です。
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Goosebumps. Vimeo screenshot, Eric Sterman

Noam Chomsky: The Nightmare in Gaza
AlterNet
米国の哲学者、ノーム・チョムスキーが、イスラエルが侵攻しているパレスチナ自治区ガザについて語った記事です。現在、イスラエルとハマスが3日間の停戦に合意し、その延長に向けて調整中なんだが難航している、と報道されています。イスラエル側はハマスが掘ったトンネルをあらかた破壊し、侵攻の主な目的は達成したらしい。チョムスキーは、イスラエルを支援している米国の態度が変わることが重要であり、それは不可能ではない、と言っています。


アゴラ編集部:石田 雅彦


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