オランダ国王の訪韓と「慰安婦」問題 --- 長谷川 良

2014年09月02日 09:13

取り越し苦労と言われればそうかもしれないが、やはり懸念する。韓国聯合ニュースが8月30日、「オランダのアレクサンダー国王が11月、訪韓する」と報じた記事を読んだ時だ。アレクサンダー国王が韓国の朴槿恵大統領と会談する時、やはり旧日本軍の慰安婦問題がテーマとなるだろうと感じたからだ。

聯合ニュース日本語版を先ず紹介する
 
オランダのアレクサンダー国王とマキシマ王妃が韓国の朴槿恵大統領の招請により、11月3~4日に国賓として来韓する。青瓦台(大統領府)が29日発表した。
朴大統領は3月にオランダ・ハーグで開催された核安全保障サミットに出席するため、韓国の大統領として初めてオランダを公式訪問した。オランダ国王の今回の来韓はその答礼訪問と青瓦台は説明した。
朴大統領がオランダを訪問した際、アレクサンダー国王は朴大統領を昼食会に招き、両国の協力について意見交換した。昨年4月に王位を継承したアレクサンダー国王は、皇太子時代にも4回来韓している。


韓国が「正しい歴史認識」を標榜して日本側に謝罪を要求、特に、慰安婦問題を激しく追及してきたことは周知の事実だ。朝日新聞が慰安婦報道で大きな間違いがあったことを認めたことから、韓国側の慰安婦問題への取り組み方に修正がもたらされることを期待するが、韓国メディアを見る限りはまだその兆しは見られない。

当方が懸念するのはオランダ側の出方だ。ジュネーブの国連人権理事会の「普遍的・定期的審査」(UPR)で2012年10月末、日本人権セッションが開催されたが、中国、北朝鮮、韓国からいつものように厳しく批判が飛び出した。それにもまして、厳しく日本を批判した国はオランダ代表団だったのを思い出す。オランダは旧日本軍の慰安婦問題を追及する急先鋒となっている。

例えば、オランダがジュネーブの日本人権セッションで提示した質問内容を紹介してみよう。

「軍の性的奴隷システムのテーマは関係国間だけの問題ではなく、日本国内の内政でもある。同システムに関しては1990年終わりに学校の教科書で紹介されたことがあるが、2012年の学校教科書には掲載されていない。第2次大戦時に行われた非道な行為について、若い世代に正しい認識を喚起する重要な契機のはずだ。日本政府は、基本的人権の尊重を若者たちに教育するという観点から、旧日本軍の性的奴隷制度をどのように将来の世代に伝えていく考えか」

オランダは2008年5月の日本の第1回UPRでも韓国、北朝鮮と共に日本に慰安婦問題を挙げて質問した国だ。欧州諸国で唯一、オランダが日本の慰安婦問題に対して厳しい姿勢を貫いている。オランダ側の主張によれば、第2次大戦時、旧オランダ領東インド(現インドネシア領)で多数のオランダ女性が日本軍の捕虜となり、その一部が強制慰安婦とされた、ということから、旧日本軍の慰安婦問題に対して厳しいスタンスを取ってきた経緯がある。

ローマ法王フランシスコの訪韓時にも韓国側は最後の記念ミサに慰安婦を招待し、ローマ法王と会合できるように手配している。オランダの場合、慰安婦問題が共通のテーマだけに、首脳会談で議題に上がる可能性が高いのではないか。──これがオランダ国王の訪韓ニュースを聞いたとき、当方の脳裏に浮かんできた懸念だ。


編集部より:このブログは「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2014年9月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。


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