「メラビアンの法則」を信奉するヒトが減らない不思議

2014年09月12日 03:21

昨日、「いまだに使われるメラビアンの法則の不思議」を投稿したところ、多くの方からご意見を頂戴したので追記したいと思います。なお、メラビアンの法則を知らない方は、恐縮ですが昨日の記事をお読みください。


「メラビアンの法則」で検索をかけると、数えきれない数の記事がヒットします。ツイッターはリアルタイム検索ができますが、未だに多くの方が「メラビアンの法則」を誤ったかたちで伝えていることが分かります。

そして、驚くことに、それらの職業の方の多くは、研修講師、教師、コンサルタント、キャリアセンタースタッフ、企業人事担当者、婚活カウンセラーなど多岐に渡ります。これらの職業の方は相手に教える立場ですから、より慎重にならなくてはいけないはずですが。

参考になりそうな記事が無いかと思い探してみましたが、アナウンサーの梶原しげる氏の記事が非常に分かりやすくまとまっています。
「プロのしゃべりのテクニック」」【116】メラビアンのうそ

そんなわけで「プレゼンや講演で人に話す時、言葉の意味はたったの7%しか伝わりません。声が38%、見た目が55%なんです。話は中身より9割以上が伝え方なんです」こんなことを、メラビアンを引き合いに出して言わない方が無難なのだ。もちろん、本にも書いたら、それでアウトだ。

パワーポイントを持ち出して、「7・38・55」の大きさに3分割した円グラフを提示して「メラビアンの法則によればですね」と始める人の話には、眉につばつけて聴いた方が良い。だいたい、話す中身が7%しか伝わらないプレゼンなんて、普通失敗でしょう?

梶原氏ならではのユニークな切り込み方で分かりやすく説明されています。確かに、コンサルタントは投影資料で3分割のグラフを良く使っていました。ひと頃のコミュニケーション研修ではお約束みたいなものでしたね。

私は、EQ(Emotional Quotient)の実務家としての側面を持ち合わせていますが、EQとは自己や他者の感情を理解してコントロールする知能です。人間の内面にアプローチする方法なので、コミュニケーション研修との親和性が高いのです。そこでメラビアンの法則がよく使われていました。

●やまないメラビアン信奉者

誤った解釈にも関わらず減らない理由として、「55%+38%+7%=100%」という使いやすい数値である点、講師の立場からするとメラビアンの理論は学説ですから、自身のコンテンツの権威付けになると思われている点、コミュニケーションの重要性は誰もが理解していますから、説明するにあたって便利な指標であることは間違いないと思われます。

なお、メラビアンの法則はアカデミックの分野では、先端の学説としては理解されていません。少なくとも私が入会している組織人事系の学会や心理学系の学会で話題になったこともないはずです。既にメラビアン博士は「間違った伝わり方をしており日常では使用できない」ことを発表しています。メラビアン博士のサイトには次の一文が記されています。「these equations are not applicable」

結果責任は自分にありますから、何を話そうと勝手だという意見もあるかと思いますが、少なくとも私は違和感を感じてしまうわけです。「メラビアンの法則」。とても不思議です。

尾藤克之
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尾藤 克之
コラムニスト/経営コンサルタント

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