TPP参加で著作権保護期間はどうなる

アゴラ編集部

日本と米国のTPP交渉がワシントンで行われていたんだが、どうも妥協点がうまく見つけられず、今回の協議も物別れになったようです。米国側のフロマン通商代表部代表との交渉に臨んでいた甘利明経済再生担当相は、柔軟性のある提案をしたが進展させることができなかった、と語っています。


一方で、米国内も歩調がそろわないようで、議会にもTPPに反対する議員が少なくありません。報道によると、9月25日には米国の自営農家の団体が過度の自由化で危機に瀕する日本の農家に共感を示した、とのこと。カナダも「米国はイジメっ子」と言っているらしい。

円安で輸入金が高くなっています。乳製品や豚肉、化石燃料などの値段が上がっていたりするわけで、物価が上がりながらもタイムラグで賃金が連動せず、景気も良くなっている実感はありません。TPPの為替への影響は、多種多様な議論があるんだが、輸入品が多くなれば貿易収支の悪化や政策も含め、円安へ振れるんじゃないか、という意見もあります。

TPPへ参加すれば、我々の生活には少なからぬ影響があります。その内容も経済、金融、知財、医療、雇用などあまりに広範囲でちょっと想像がつかない。表題の記事では、著作権消滅コンテンツなどをネット上へ公開している電子図書館「青空文庫」が、TPP参加で著作権保護の期間が延長されることに懸念を示している。米国の知財条件を呑んだメキシコでは、著作権の保護期間が100年になったそうです。

青空文庫
TPPによる著作権保護期間延長が行われた場合の青空文庫の対応


The Rise and Fall of Russia’s Flesh-Eating Zombie Drug, Krokodil
AlterNet
「Krokodil(クロコダイル)」というのがあるんだが、モルヒネの8倍から10倍といわれる強力な鎮痛作用を持つデソモルヒネ(Desomorphine、ジヒドロデオキシモルヒネ、Dihydrodesoxymorphine、Permonid)を原料として作られた粗悪な向精神性の薬物です。このクロコダイル、現地では風邪薬ほどの値段でネットなどで気軽るに買えるため、ロシアや東欧、北欧などの貧困層に広がっていて大きな社会問題になっているらしい。これを乱用すると、皮膚が糜爛し、黒色や緑色に変色し、ワニの皮膚のようになる。この症状が進行すると、皮膚や筋肉が破壊され、まるでゾンビのようになってしまいます。この記事によると、クロコダイルの使用がロシアで2000年代の半ばから急増したのは、ロシアの製薬会社のロビー活動により、使用制限を緩和させたからだそうです。こんなものが日本へ入ってこないように注意しないといけません。

The Hidden World of Facebook “Like Farms”
MIT Technology Review
「農場」のようなFacebookの知られざる世界、という記事です。「いいね」を押させて企業のページへ誘導し、サービスや商品などの広告訴求を狙うわけなんだが、これが「農場」のようだ、というわけ。企業のFacebookページをそっくりマネた「農場詐欺」も横行し始めているようです。この「HOAX-SLAYER」には農場詐欺の一例リストがある。表題の記事では、Facebookの「いいね農場」のデータ収集と分析の効果について書いています。

JCBデビットカードは2014年秋に発行開始…という話題でしたが、未だにいつ開始されるのかのプレスリリースがありません。
クレジットカードの読みもの
デビッドカード、当方も一応、持ってはいるんだが使ったことは一度もありません。どうも自分の銀行口座から瞬時に金が引き出される、というのが感覚的になじまない。使用できる店舗も少ないし、24時間使えない、という話もあり、さらに言えば銀行のATMで使う暗証番号などをそのへんの店で入力するのには抵抗がある。カードによっては暗証番号が強制的に振り分けられることもあって覚えるのが面倒だったりします。銀行さんは普及させたがっているようなんだが、振り込み詐欺が横行する日本で広がるかどうか疑問です。

Bizarre Sphere Fossils Could Be Among World’s Earliest Animals
livescience
中国南部で発見された化石が、多細胞生物では最古のものかもしれない、という記事です。藻類かあるいは海綿のような動物の祖先である可能性が高い。地球上の生物で最も古い生物の化石は、約38億年前の真正細菌のものなんだが、その後はずっと単細胞生物の時代が続きます。多細胞生物になったのはカンブリア紀前期、約5億6000万年から5億4300万年前と考えられているんだが、今回発見された化石は約6億年前、ということらしい。ただ、多細胞生物の「痕跡」自体は約11億年前の地層から発見されている。これはミミズ状の生物が這った跡で、多細胞生物がいったいいつ出現したのか、議論が続いています。

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中国南部で発見された球状になった化石。Credit: Lei Chen and Shuhai Xiao


アゴラ編集部:石田 雅彦