河野談話の「官憲等が直接これに加担」とは何のことか

2014年10月07日 00:31

超こまかい話だが、先日の朝まで生テレビでもスタッフが理解していなかったので、歴史の継承のためにメモしておこう。河野談話でもっとも重要なのは、次の強調部分だ。

慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。


この「官憲等が直接これに加担」の意味について、このときの記者会見で「強制連行の事実があったという認識なのか」という質問に、河野洋平氏が「そういう事実があったと。結構です」と答えたことが、韓国側が「日本政府は強制連行を認めた」と主張する根拠になっている。これは明らかな事実誤認なので、河野氏は「私の答は誤っていた」と訂正する必要がある。

ただ河野氏は文書の作成にはかかわっておらず、この「加担」の中身は知らなかった。これについて、当時の外務省の記者レクではスマラン事件のことだという説明が行なわれたとされる。1997年の国会答弁でも、内閣外政審議室審議官が「韓国政府が行ったという元慰安婦の証言以外にはバタビア[インドネシア]の事件が1つあっただけだ」と答弁している。

韓国に対する外交文書に、インドネシアの事件を根拠にして「強制性」を書くのはおかしいし、国会でも指摘されたようにスマラン事件は強制連行ではない。これが事実なら、外務省は問題の部分を「インドネシアでは」と修正すべきだ。そうすれば「日本政府は強制連行を認めた」という誤解もなくなる。この点はこまかいが重要なので、国会であらためて検証したほうがいい。

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池田 信夫
アゴラ研究所所長 青山学院大学非常勤講師 学術博士(慶應義塾大学)

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