女性が男性より3倍もおしゃべりな、科学的根拠とは? --- 安田 佐和子

アゴラ

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女性といえば、江戸時代に「井戸端会議」という言葉が生まれるほど、おしゃべりに花を咲かせるのが大好き──とされています。

一説によると女性は1日に2万語を発し、平均的な男性の7000語の3倍近くに及ぶのだとか。なぜなのでしょう?

メリーランド大学の神経科学者と心理学者が共同で調査した結果、科学的な根拠が浮かび上がりました。


生後わずか4日後のネズミの赤ちゃんを母親と離したところ、オスはメスの2倍も鳴き声を発していました。同時に、脳内で発声・言語能力に関わるフォークヘッド型因子のforkhead box P2(FoxP2)というタンパク質の数がメスを2倍も上回っていることも判明したのです。逆にFoxP2タンパク質をオスの赤ちゃんには減らしメスに増加させると、結果は正反対に。メスの赤ちゃんがより多く、鳴き声をあげていました。

3~5歳の人間の子供でも、カギはFoxp2タンパク質が握っていました。ただし人間の場合はネズミと異なり、女の子が男の子より30%上回っていたのです。早いうちから言語を習得するだけに語彙も増えるとあって、話す回数が増えるのは当然の成り行きと言えるでしょう。研究を率いたマーガレット・マッカーシー教授は、研究結果を受け「Foxp2こそが、ほ乳類間の男女で言語意思伝達能力の違いを生む神経生物学的な要素と示唆される」とまとめていました。

おしゃべりに限らず、外国語が得意なのも女性に多いですよね。洋画の翻訳第一人者といえば戸田奈津子さんという女性であり、筆者が通っていた神戸外国語大学でも、7:3で女性が多数派でした。まあ男性は身体能力で女性を圧倒するのですから、女性は口くらい達者な方がバランスが取れているのかも?

(カバー写真:Womenpac)


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2014年10月20日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。