やはり侮れない中国のポテンシャル --- 岡本 裕明

2014年11月12日 12:12

中国の11月11日は独身の日(singles’ day)でアンチバレンタインディとも称されます。その由来は1111と数字が並ぶことからシングルという事らしいのですが、1990年代から始まったこの独身の日が世界的に報道されるのは今年が初めてのような気がします。


その最前線に立ったのがアリババであります。同社の一日の売り上げが1兆円を超えてきました。同社が注目され始めたのは今年秋にニューヨークで上場したことが大きな転機となったと思います。勿論、ソフトバンクが大株主だという事もニュースとしては話題になっていますが、それは日本だけの話であります。同社が持つ中国市場への強烈な影響力と支配力、更にはジャックマー会長がこれからの成長は中国の外だ、と述べているところにその潜在的成長力が見られます。私も初値から切り下げたところでいくらか株を買いましたが、それは「成長」という夢を求める株式市場において次の柱となりやすいことが挙げられます。

多くの投資ファンド、機関投資家はグーグルやアップルの株式をたんまり保有していますが株価の動きは「先取りの先取り」までしていますから緩慢(=成熟)になってきています。その点、アリババのような会社は将来に株価が大化けするかもしれない可能性と時価総額の大きさからファンドが手を出しやすい銘柄であることは特筆すべきでしょう。

さて、アメリカでは間もなく一年で最大のショッピング時期となるサンクスギビングが始まります。そしてそのあとにはクリスマスショッピングとつながります。カナダでもクリスマスショッピングに12月26日からのボクシングウィークでしょうか? そのショッピングも冬空の中、忙しい時間を割いて何にしようかと悩むより暖かい部屋でインターネットでクリックするだけで荷物が届く方がどう考えても理に適っています。

アリババを始め中国のネット通販会社は11月11日夜中の0時から大ディスカウントセールを開始し、熱狂的な消費者の支持を得たようです。中国では今後更に中流層が増えるわけで消費の力強さは日本からすれば指をくわえてみているだけのように見えます。いや、アメリカでもカナダでも家族や友達にとても高いギフトを上げるのが習慣になっているこの仕組みを日本は上手く作り上げられなかったと思います。

日本のギフトといえば中元、歳暮でありますが、どうしても「義理」が先行しており、本当の意味での気持ちが伝わってきません。事実、デパートの中元歳暮売り場の商品は品ぞろえがある程度限定されており、たとえ親戚同士でも割と結びつきが薄い日本の社会を如実に表していないでしょうか?

そんな中、もう一つの中国の強さがスマホであります。小米のスマホ販売台数が7-9月でサムスン、アップルに次いで世界第3位になったという事であります。スマホは既にコモデティとなっていますから強力なマーケティングと協力業者を抱きかかえることで事業展開できること、また日経にも指摘がありましたがサムスン、アップルに比べてフットワークの軽さが日進月歩のこの世界における対応力の早さに繋がっているのだろうと思います。

この小米を始め中国勢のスマホメーカーの躍進の流れは当面続くと見てよく直接対決するサムスンには厳しい状況が続くとみています。いや、更にはロボットでも中国の実力は世界で有数のレベルまで来ていますし、自動車も何れ遠くないうちにその水準までやってくるはずです。

今、日本の中では知らぬ間に中国製ということが起きています。衣料から100均の商品、テレビなどの家電も多くが中国製です。最近日本で竣工した当社のビルの屋上にある太陽光パネル。某住宅機器メーカーのブランドモノですが、もちろん中国製パネルであります。我々はもはや抵抗すらできない状況にあると言ってよいのであります(昔、アメリカで日本製品の爆発的流入に対して「バイアメリカン主義」が盛り上がったことがありますが、最終的に価格と品質に抵抗し切れませんでした)。

では我々は座してその時を待つのか、単なる高品質で安価な部品供給国となるのか、はたまた新たなる成長できる分野を切り開いていくのか、大きな岐路にあるように見えます。それは海外に住む者だからこそ、客観的に見える部分でもあります。中国の力を侮っていはいけないともう一度考え直す時期に来たようです。

今日はこのぐらいにしておきましょう。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2014年11月12日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった岡本氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方は外から見る日本、見られる日本人をご覧ください。

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