苦戦中のヘッジファンド、頼みの綱はこの銘柄 --- 安田 佐和子

2014年11月28日 12:08

米株相場に調整入りの足音が聞こえ始めた頃、ヘッジファンドはすでに大苦戦を強いられていました。

CNBCがゴールドマン・サックスのレポートを元に報じたところ9月末までの銘柄入れ替え率は27%と、GSが統計を開始した2001年以来で最低を記録。GSはレポートにて「ヘッジファンドのパフォーマンスは、ごく少数の銘柄次第だった」と振り返ります。

年初からの11月19日まで、S&P500のリターン12.9%でした。対してヘッジファンドの平均リターンは、マイナス1.0%。株式投資に集中するヘッジファンドでも、わずか1%の上昇と散々な結果に終わっています。しびれを切らしたのか米国最大の公的年金基金であるカリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)は9月、ヘッジファンド向け投資資金4億ドルを全て引き揚げる決断を下していました。

ただしGSがヘッジファンドのパフォーマンスについて「少数の銘柄次第」と指摘したように、ヘッジファンドの保有銘柄トップ50のリターンは13.5%。S&P500を0.6%上回り、面目躍如を果たしています。

ヘッジファンド保有銘柄トップ50は、こちら。

top 50 most popular HF Q3 2014 (2)
(出所:GS/Zerohedge

11月25日に時価総額7000億ドル(約82兆6000億円)を突破したアップルが、やっぱり堂々の1位を飾りました。歴戦の勝者たる著名投資家カール・アイカーン氏やデビッド・アインホーン氏などが大量保有するこちら、もはやリスク資産というより安全資産の存在感すら放ちます。注目は、9月19日に新規株式上場(IPO)を果たしたアリババ。9月末の集計ですから、たった半月で昇竜のごとき勢いでベスト10圏に食い込みました。ヘッジファンドの厚い寵愛を受け、アップルやヤフーから乗り換えたヘッジファンドも多いとか。セクター別では医薬品、航空、金融、ヘルスケアが目立ちました。

7-9月期にヘッジファンドの選好/回避銘柄トップ20は、以下の通り。

top 50 most popular HF Q3 2014 change

人気・不人気問わず、合併・買収(M&A)銘柄が目立ちます。加コーヒーチェーン大手ティム・ホートンとファストフード大手バーガーキング(8月に両社が合併を発表)をはじめ、米製薬会社アブビー(アイルランドの競合シャイアーと7月に買収で合意、10月に撤回検討)、タイム・ワーナー(21世紀フォックスが8月に買収提示、物別れに終わる)、タービン製造大手ドレッサー・ランド(9月に独シーメンスによる買収で合意)、ドラッグストア大手ウォルグリーン(スイスの同業ブーツ・アライアンスと8月に完全買収で合意)、英製薬会社アストラゼネカ(ファイザーの買収提案を再三拒否)など。今後の金融市場は「Fedの出口戦略VS欧州中央銀行(ECB)+日銀+人民銀などの追加緩和」へ構図が変化するなか、ヘッジファンドの選好/回避銘柄の顔ぶれはどうシフトするのでしょうか。


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2014年11月27日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。

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