「よほどのこと」がない限り自民党を選ぶ日本人 --- 岡本 裕明

2014年12月13日 12:06

日曜日の選挙の結果はほぼ判明していると言ってよいでしょう。自民党が300議席からあとどれぐらい上乗せできるかという話ですから以前から申し上げているように私は投票率と共産党の票の行方だけを追っています。

投票率は天気が荒れそうですのでさらに下押しするのでしょうか? もともと浮動票と称する決めていない人、あるいは支持政党がない人は投票に行くモチベーションが低いものです。ましてや結果がわかっている選挙で天気が悪いとなればなおさら足が遠のくことも考えられます。それでも安倍首相は「完勝」と美酒を愉しむのでしょう。


むしろ私は野党の具合が気になっていますが、共産党が第三党に迫る第四党に大躍進すると予想しています。つまり、民主、公明の次であります。これはふたを開けてみないとわかりませんが、投票率が悪ければ悪いほど組織票を持つ共産党は有利、また唯一の自民対立候補ですから票がある程度流れることは好む、好まざるにかかわらず起こりうることではないかと思います。

一昔前、日本では二大政党論がありました。確か、民主が政権を取ったころだと思います。新聞はアメリカのような二大政党時代をようやく迎えることになった、と書き立てていました。ところがこのころ私は二大政党は日本では根付かないと記したはずです。これは日本が経営側と労働側が明白に分かれていないので二大政党は起こりえないのであります。欧米のように搾取ともいえる圧倒的な階級の差は日本ではありえません。理由は神道がそう教えていないからです。日本では神様が労働する国であります。

こういうといや、最近は勝ち組と負け組の差が明白になったからそれは当たらないのではないか、と指摘されるかもしれませんが、これは収入などの差をみての論拠だと思います。しかし、欧米の場合はそういうレベルではありません。欧州ではいまだに工員の子供は工員という発想があり、一種の宿命(生まれ持った運命)ぐらいのものであります。だからこそ、保守、革新が明白な主張のぶつかり合いとなり、延々とその体制が続くのであります。

ではなぜ、今回も自民党が勝つのか、といえば政治は自民党が仕切っていれば最悪の事態は逃れられるという信頼感があり、人材も豊富で経験も豊か、という安心感ではないかと思います。民主時代の壊滅的な政権運営が今の強い自民を作っているともいえるでしょう。

もう一つ、日本で野党が育たない理由は日本人がほぼ単一民族であるという均一性が挙げられましょう。例えばカナダのように様々な人種の移民国家であれば考え方は民族ごとに違うとしてもおかしくありません。それがある程度の政党数に集約された中で政権担当政党は民に常に監視された状態で政権運営をしていきます。当然、失敗すれば次回のポジションは約束されないことになります。

アメリカでも先の選挙を通じて民主党のポリシーがアメリカ人の求めている方向ではないから共和党が両院とも過半数を取ることになりました。つまり、拮抗した政党間の力関係の中で政党運営は生きるか死ぬかの戦いをし続けなくてはいけないのです。

その点、日本では社会のシステムが自民を押すことが前提になっているともいえ、選択肢がなく、逆に言えば「支持政党なし」という人たちが本来の「声なき声」とも言ってよいのだろうと思います。だからこそ、今回の選挙に於いて投票率が私にとってはとても注目する価値があると思っているのです。

日本のほぼ単一民族という特徴は日本全体が変わりにくくなっているという特性にもつながります。つまり、保守的であり、何か新しいことをするのは大きな失敗があった時にようやく背中を押されてそういう行動に出るのです。

タカタというエアバックのメーカーの対応が悪いことに世界中が注目していますが、これも同社がもっと窮地に追い込まれない限り、行動に移さないのです。同じことは過去トヨタを含め数多くの会社が経験してきたことです。今回の問題でもホンダですら社外取締役の畔柳信雄、元三菱UFJ会長がホンダの伊東社長を激しく叱責したことからリコールを進めたとされています。

つまり、日本で政党が変わるとは日本がよほどの窮地に陥らない限り起こりにくいともいえ、民主党が政権を取った時はまさによほどの状況にあったとしてよいのでしょう。

週明けの新聞は選挙結果の解説でメディアを埋め尽くすと思いますが、ボトムラインとしてはこの点を押さえておくべきではないかと常々思っております。

今日はこのぐらいにしておきましょう。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2014年12月13日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった岡本氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方は外から見る日本、見られる日本人をご覧ください。

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