マッサン的な民主党はピケティを読んで出直せ

2015年01月18日 07:00

150118民主党
どうも新田です。阪神大震災から20年。心より哀悼の意を表します。
日付が1月18日に変わり、きょうは復興中の民主党の代表選が行われます。ていうかあまりにも盛り上がっていないというか、本当にこの人たちは大丈夫なんだろうか、という、もはや人道支援的な憐みのまなざしで見ているこの頃です。


◆どう見られているのか自覚しているのか
私は民主党支持者ではありませんが(個人で支持する方は何人もおりますが)、与野党関係者に幅広くお付き合いさせていただく中でも、最初に選挙のお手伝いをしたのが民主党の参議院議員(当時)だったこともあって、国会議員や地方議員、総支部長や秘書の方々の顔見知りが一番多く、ぶっちゃけ正面切って批判めいたことは言うのはこれまで気が引ける分もありました。しかし代表選が始まってからこの間、ネットやリアルでの発言を見聞していると、一部の方には有権者との温度差があまりにもあり過ぎて、もうここは一発五寸釘をドカンと打ち込んでおかないと、仮にも政権を担ったことのある党なのに、ただのイタイ集団に思われるんじゃないか、と、少しは自分たちを見つめ直してほしいと苦言したくなった次第です。

たとえば代表選が盛り上がっていない中で、ある地方議員の方が「レベルの高い政策論議が行われているのにマスコミはどうして取り上げないのか」と憤慨するような姿を見ると、顔見知りの私ですらドン引きしてしまいます。これが一般の無党派層ならドン引きどころか、もう民主の顔なんか見たくない、女性視聴者に逃げられる江頭2:50扱いになってしまうわけですよ。たぶん東京新聞の長谷川さんの現代ビジネスの記事とかを見て怒っているんでしょうけど、政権取った時に支持してくれた「無党派に現在どう見られているのか」定性材料として謙虚に受け止めるべきと思いますよ。広報や元記者の立場から言わせてもらえば、「うちの会社はクオリティーの高い商品を作っているのにマスコミはどうして取り上げないのか」と勝手に怒り狂っている企業と同じ構図。取り上げてもらうための広報PRの努力が不足していることを棚に上げて何を言ってるのか、と思われても仕方ないわけです。

各候補者、それから候補者を支えている人たちにとって本当の敵は誰なのか自覚が足りないようにしか見えないんですよ。この代表選そのものを有効なコンテンツとして活用して自民党に対する差別化を徹底する。その意味では候補者と若者たちとの対話集会なんか自民党総裁選じゃお目に掛れない好企画でした。いっそのこと渋谷のクラブを丸一日貸し切って、若者たちから「僕たち組合のある企業に正社員で入社できるどころか組合の無いベンチャーで派遣で働いているんですけど」とか、「年金制度ぶっちゃけ破たんするのにどうすんだよタコ」みたいな質問や意見を正面から受け、具体的な政策を元に池上彰的なコミュニケーションをするイベントもありじゃないでしょうかね。候補者が青ざめながらも真摯に答える姿を見せることを積み重ねていくことが大事なはず。

◆“マッサン”的な民主党、“鴨居の大将”的な自民党
このあたりのメディア戦略のウマさ、自民党は一歩も二歩もどころか、ペナントレースでいえば20ゲーム差くらい先を行っています。いやメディア戦略というよりも、市場の声に対する反応が機敏なんですよ。佐賀県知事選で負けて地方選挙ヤバイと思ったら即断即決で全国幹事長会議を前倒しするあたり、組織としての反射神経が違うなと思います。民主党はせっかく党の顔を決める一大イベントをやるというのに、積年の課題である地方議会での基盤強化も見据え、統一地方選対策も兼ねた全国キャラバンをやってもいいと思うんですがね。

民主党はイイ(マジメな)人も多いのに期せずしてイタイキャラ認定されてしまう悪癖がある。朝ドラで言うと、住吉酒造を追放されてプータロー中のマッサンのようにスキルを活かせずウダウダしている不器用感満載な人生を謳歌中。しかも頑固ときている。一方、自民党は鴨居の大将みたいにしたたかなマーケティング戦略眼があり、お客さん(有権者)の本当のニーズはどこにあるのかから常に考えているクセが付いているわけです。だから本当は安全保障とかで色を出したい安倍さんだって首相の座に還り付くためには最大ニーズの経済政策を新たな看板に挿げ替えたような柔軟性があるんです。

◆たとえばピケティブームに乗っかってみる
しかし民主党だって真摯に市場の声に耳を傾ければいいわけです。ここでやっと本題。いま「ピケティ」が売れに売れていますね。600ページもの分厚く、6000円もする高価な本が発売1カ月で13万部も売れ、池田先生の入門書も10万部が視野に入り、先生の笑いが止まりません(笑)。

マジメな話、ブームの背景にはグローバル化による経済格差への実感や不安があるのは間違いありません。もっとも池田先生の見解では、「日本ではピケティのいうような格差は拡大していないが、経済が減速して貧困層がますます貧困化する」といった特徴もあるようですが、このあたりの社会不安ニーズをとらえてキャンペーン化する戦略もあっていいと思うんですよ。


そう考えると、3人の候補者でピケティと親和性が高いのは「格差」への言及が目立ち、最もリベラルな長妻さんでしょうか。私がもし民主党員なら(3人の中で)自分の考えに近くて飲み会でご一緒したことのある細野さんを真っ先に支持するところですが、客観的に党全体の戦略的ポジショニング設定と割り切るのであれば「長妻代表」は旗印として分かりやすいと思います。ま、ぶっちゃけ岡田さんが勝つツマラナイ展開になるんだろうけど、一番大事なのは、たとえばピケティブームに乗っかりながらもグローバル経済の視点をベースにアベノミクスと差別化した経済政策を打ち立てるような、国民のニーズに応えた政策をビシッと提案できるかどうか。イタイ集団から見タイ集団に生まれ変われるかの試金石ではないでしょうか。

ついでに告知しておくと、アゴラ×Newspicksの初コラボ企画で池田先生の連載「5分で分かるピケティ」(全4回、初回無料)の運営を手伝うことになりました。ご一読いただければ嬉しいです。次回は22日掲載予定。民主党の方も読んでくださると嬉しいです♡

新田 哲史
Q branch
ソーシャルアナリスト/企業広報アドバイザー
個人ブログ新装開店しました

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新田 哲史
アゴラ編集長/株式会社ソーシャルラボ代表取締役社長/NPO法人ICPF 情報通信政策フォーラム理事

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