電子納税とネット生保 --- 岩瀬 大輔

アゴラ

確定申告の季節ですね。先日、政府が2017年からネットでの納税手続きを簡単にするというニュースが出ていました。


国税庁HPの申告書作成コーナーはとても使いやすく、13年度には「52%がネットを使って申告書を作成された」とのデータも納得できます。一方で、電子申告がされた割合は8%にとどまっているとのこと。確かに、住民基本台帳カードとICカードリーダーを用意する手間が大きなボトルネックとなっていそう。実際に使いはじめた人にとっては簡単なのでしょうが、最初のハードルは高いですね。

今回予定されている改定では、本人認証を携帯電話で行ったり、添付書類も紙の書類ではなくpdfで提出できるようになるなど、より「ネットっぽい」取り扱いになります。

翻ってみると、身の周りでも色々なものの電子化がはじまっていますが、なかなか本格的な普及にはまだ改良が必要そうです。電子証明書、ネット選挙、電子カルテ、お薬手帳電子化など。

一方で、普及までには少し手間と時間がかかったけれど、普及してしまうと便利で当たり前になっているものとして、テレビ地デジ化や、高速道路のETCなどがあるように思えます。

ネット生保も同様。メリットは大きいのですが、さまざまなハードルがあるのか、まだ十分な普及に至ってはいません。実はライフネット生命では、申し込み手続き以外にも、

・ご契約者が医療保険の給付金請求受付をネットから24時間行える
・一部の商品では、ご請求時の医師の診断書(各種証明書)提出を原則不要とし、より簡易に給付金を請求できる

など、お支払いの面でもネットを使った地道な改良を続けています。

今後もボトルネックを少しずつ解消し、もっともっと便利にすることで、一人でも多くの方に使って頂けるサービス作りを目指したいと思います。


編集部より:このブログは岩瀬大輔氏の「生命保険 立ち上げ日誌」2015年2月16日の記事を転載させていただきました。
オリジナル原稿を読みたい方は岩瀬氏の公式ブログをご覧ください。