北アフリカは世界のテロ発信地 --- 長谷川 良

2015年03月24日 10:54

チュニジアの首都チュニスのバルドー博物館襲撃テロ事件(3月19日)は北アフリカがイスラム過激派テロ組織の主要拠点となっていることを改めて明らかにした。オーストリア日刊紙プレッセ(19日)は、「北アフリカはテログループにとって豊潤な地だ」と評し、彼らはリビアからエジプト、マリまでその勢力を拡大してきたと報じた。そこでプレッセ紙の記事内容を紹介する。


チュニジアのテロ事件は北アフリカでイスラム過激派テロ組織「イスラム国」や国際テロ組織「アルカイダ」のプレゼンスを改めて浮き上がらせた。北アフリカでも中心拠点はリビアであり、そこでシリア・イラク戦闘に送るメンバーがトレーニングを受けている。

リビアの拠点は対エジプト国境に近いデルナ(Derna)で、リビアのアンサール・アル・シャリーア(Ansar al Sharia)の拠点だ。同市は人口約8万人で地中海に面した港町だ。そこでチュニジア、パキスタン、サウジアラビア、ソマリア、アルジェリア、ドイツなど欧州から集まったイスラム過激派メンバーが訓練を受けている。数カ月の訓練後、彼らは偽造旅券でトルコ入りする。そこからシリアのサラフィー・ジハード主義の反政府武装組織でアルカイダの下部組織アル・ヌスラ戦線(al Nusra Front)の支援を受け、シリアの目的地に向かう。

デルナは2011年のリビア内戦では反カダフィ派の拠点。昨年中旬までデルナはアナサール・アル・シャリーアがコントロールしていたが、ここにきて「イスラム国」が支配権を掌握してきた。「イスラム国」の指導者アブバクル・バグダディが「リビアに進出せよ」と指令を出したという。具体的には、イエメンとヨルダン出身の2人のシャリア法学者をデルナに派遣している。

リビアの第2の拠点はスルト(Sirte)だ。人口約13万人の都市でトリポリタニア東部に位置する。「イスラム国」はそこでチュニジアのアナサール・アル・シャリーアの支援を受けている。ちなみに、アンサール・アル・シャリーアで良く知られていた指導者 Ahmed al Rouissi がスルトのリビア政府軍との戦闘で戦死したというニュースが流れたばかりだ。同グループは「イスラム国」と連携してリビア政府軍と戦闘を繰り返してきた。今年1月27日、トリポリ中心地のコリンチア・ホテルが襲撃され、10人が死亡するテロ事件が起きたが、これはリビアで「イスラム国」の活動が明らかになった最初の事件だ。

エジプトには昨年以来、「イスラム国」の拠点が存在する。シナイ半島の Ansar Bait al Maqdis は「イスラム国」のアブバクル・バグダディへの忠誠を宣言し、テロを繰り返している。アルカイダもアルジェリア南部からマグレブ地域、マリまでその勢力を広めている、といった具合だ。

なお、モロッコとモーリタニア両国は相対的に落ち着いている。モロッコ当局はスペイン警察と連携し、イスラム過激派の取り締まりを強化している。モロッコ当局は今月22日にも同国南西部の都市アガディール(Agadir)などで「イスラム国」の拠点を襲撃し、テロ容疑者の拘束に成功している。


編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2015年3月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。


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