今週の話題から

岡本 裕明

今週もいろいろありましたのでつぶやかせていただきます。

まず、ドイツの航空機事故原因は副操縦士の奇怪な行動、それ以上に何らかの病気を持ち、操縦は不可能という医者の診断書があったにもかかわらず、それを本人が会社に報告しなかったという特殊性に恐怖を感じます。これはLCCのみならず航空会社の運営にとって非常に頭が痛い問題を提起することになります。カナダ航空局は昨日、コックピットには常時2名いることを強制する通達が出て即日発効されました。トイレはどうするのかと思いますが、パイロットの人事管理が厳しくなることは確実です。


日本のLCCはパイロット不足がかねてから指摘されており、奪い合い的な状況にあります。当然ながらこのような事故が起きれば操縦適性がより厳しくなるであろうことは容易に想像でき、LCCの安定的運航のハードルがまた上がる様な気がします。日本ではバスや電車の運転士に対しての健康管理はかつての一連の事故もあり厳しくなりました。幸いにしてパイロットはもともと厳しかった人事管理もあり今のところ日本では重大な事故には繋がっていません。しかし、このような事故には乗客が最も反応しやすいわけでスカイマークの再生も含め、日本の航空業界が国交省の描くシナリオ通りにいかなくなるかもしれません。

次の話題に移りましょう。株価ですが、3月末の権利落ちを前に木曜日に下落開始の東京市場は金曜日に権利落ち分の110円相当を一時は大きく下回る370円ほど下げる展開となりました。大口の売り崩し、為替水準が影響したわけでチャート的にもいったん調整局面になるのかもしれません。個人的には20,000円という目標というか、節目をつけて調整入りかと思ったのですが、届かなかったかもしれません。

今後は来期以降の業績をどう見込むか次第でありますが、そのキーの一つは為替であります。これを書いている時点で119円を割り込む円高となっていますが、円ドルの変動要因は日本というより圧倒的ボリュームのあるドルサイドにあります。とすればアメリカの目先の景気動向が為替を占うファクターとなりますが、個人的にはアメリカ景気回復は踊り場、ないし、頭打ちになった可能性があるとみています。

あまり好きではない話題ですが、アメリカ金利の引き上げ実施時期は秋でも微妙な気がしています。そうなればドルは売られ、他通貨が買われます。また中東の不和はセーフヘイブンとしての円の底堅さが出てくると思います。そのあたりが日本の株価の先行きを占うポイントの一つにはなるでしょう。

次の話題に行きましょう。週刊誌的話題の大塚家具株主総会。決着は娘の社長派の勝利となりましたが、株主総会後のインタビューはなんとなく歯切れが悪そうな感じが見受けられます。この件についてはずいぶん前に指摘しましたが、しょせん親子、大塚家具の経営不振が根本的に変化するとも思えず、、むしろ、昨年の夏前から親子騒動を繰り返した時間のロスの方が経営の数字には響いてくるはずです。そちらの経営責任が放置された気がします。私は両名退場の方がすっきりしたと思います。そういえばオーナーカンパニー問題では雪国まいたけもあります。こちらの問題もかなり脂っこいですからそろそろ週刊誌の話題になってもよいと思います。

言い訳を一つ。昨日のブログで、アジア投資銀行(AIIB)はそれはそれで進めればよい、と書かせていただきました。私の意図するところはそれで目先のアジアのインフラ整備が進み、低迷する経済成長にカンフル剤となればよいという経済的な観点から申し上げました。中国主導という政治的考察は別次元であります。よってそれを勘案するならば日本がAIIBにすり寄るのではなく、アジア開発銀行(ADB)をきちんと推し進めればよいわけでその中でAIIBとどう組み合うか、その時に考えればよいことだと考えています。相手の貸し出しの勘定や条件、透明性に疑惑があれば借り手が将来当然考慮、選択してくるものだと考えております。

来週はいよいよ新年度入り。桜にフレッシュマンという気持ちの切り替えの週でもあります。良い飛躍ができるように頑張りましょう。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

岡本裕明 ブログ外から見る日本、見られる日本人 3月28日付より