UFOヲチャの無投票当選は“理不尽”か?

2015年04月10日 07:00

どうも新田です。カップ焼きそばのUFOを夜食にしたい空腹感をこらえております。
ところで今週末は統一地方選の前半戦となる知事選、道府県議選、政令市長選、同市議選の投開票日を迎えるわけですが、候補者不足で選挙が無投票で決まってしまう比率(無投票率)が過去最悪になったことが選挙戦前半でプチ話題になっていました。まあ、東京は都知事選がズレてしまったこともあって無風状態のため、無投票率に関する都民や東京のマスコミの関心は今一つでございますが。


■リクルート事件後に顕著な無投票率増加
歴代の無投票率の動きをみていると、こんな感じです(東京新聞から引用)。

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70年代後半と1990年前後に数字が上昇しているのは、ロッキード、リクルートという戦後史に残る二大汚職事件の影響により「政治不信」「政治離れ」が進んだことを物語っているんでしょう。ただし、90年代以降は高止まりしております。子どもたちを対象にした各種の「将来なりたい職業アンケート」の回答から「政治家」の三文字が消え始めたのが、この時期以降だと思うわけですが、改めてリクルート事件の与えた負のインパクトの大きさを感じてしまいます。

きのう、某国会議員と会食した際に「候補者の成り手」が数少ないことが話題になったのですが、選挙に出ること自体が社会的にリスクだらけな上に、なんだかんだで社会動乱も無いので政治参画のインセンティブが低い。かといって社会貢献や公共的な仕事を志向する若者はいなくなったわけではありません。

■有為な若い人材はどこ行っちゃったのか
いや、いなくなったどころか、むしろ震災復興で活躍する藤沢烈さんのような志をもった社会起業家が増えているわけで、なぜ選挙に若い有為な人材が出ないのか。件の東京新聞の記事では、触れていませんが、NPO活動が社会的に定着し、社会起業をした方が選挙活動とか面倒なことをやらずに、自分たちがやりたいことに集中しながら社会貢献できるという「選択肢」が増えたんですよ。わざわざ、どぶ板を踏むようなマネをする意義が薄らぐわけです。

このあたり、議員時代にNPOを推進してきた鈴木寛さんは「バッジを付けている人ばかりが政治家ではない」と指摘されておりまして、政治不信の時流が続く中で、NPO界隈とかにビジネス経験や経営スキルを持った良質な人材が集まってしまうのは、自然なことなかな、と。たしかに、すずかん先生の教え子でもある駒崎さんなんか一昔前ならとっくに議員バッジを付けていてもおかしくない存在なわけですが、在野にあっても役所を動かしてますからね。一方で、優秀な人材が社会起業界隈にとられた裏返し的に“号泣県議”のような非リア充の人生一発逆転を狙うような輩が地方政界に流れてしまうようにも見えるのは辛いところであります。

人口減少が本格化し、道州制を含めた自治体再編やら、コンパクトシティやらが叫ばれるご時世なので、過疎化が進むイナカの選挙に出る若者はますますいなくなりそうなわけですが、実は首都圏でもヤバい兆しがあります。東京から小一時間以上離れた終点間際のマイホームあたりから、そうした暗い未来の足音が聞こえておりまして、フライデーが2月に取り上げていましたが、1月に行われた千葉県我孫子市議選の補選には定数2に対し、2人しか候補者が立たず、UFOヲチャの74歳が無投票初当選をしてしまい、矢追サンもビックリの展開です。

■それでも無理ゲーに挑む若者たち
とはいえ、あえて泥臭く政治家の立場から地域をよくしようと無理ゲーに挑む方もおりまして。浪花節がキライだと公言しながらも、東洋経済オンラインの連載で「地方議員のリアル」で先進的な取り組みをしている若手議員さんたちを取り上げたのは、そうした皆さんの行動の源は何か興味があったからでした。

連載で取材する機会は無かったのですが、フライデーがUFOヲチャを取り上げる前から無投票当選の増加に警鐘を鳴らしていたのが、前市議の水野ゆうきさん。
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なんとフジテレビを辞めて政界入りしたことだけでも驚きなんですが、県議選の無投票がささやかれていた中で、敢えて出馬し、市民に選択肢を与えた決断には敬服します。言論アリーナでも一度共演させてもらいました。

その舞台裏でも彼女は「国政には興味が無い」「あくまで地域をよくしたい」と話しておりまして、「こんな奇特な方がいるんだな」と感動したものでした。自民、民主の2大政党公認候補を相手に奇跡を起こせるか注目しています。

それから地方創生の一端を担っていた社会起業家の中には、地元の政治に直接コミットする方向に舵を切る人も少ないながら出てきておりまして。筆者の友人で、愛知県豊橋市議選に出馬予定なのが、長坂なおと(尚登)君。
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東大卒業後、コンサル会社を経てUターンし、空き店舗を活用した商店街振興や、日本一の図書館を作るプロジェクトとか、オモシロい仕掛けを数々やってきて、内閣官房地域活性化伝道師という謎の称号を持っています。先日、彼に推薦を出したタリーズ党のおときた君がブログでダメ出し付きの激励をしておりましたが、「豊橋を日本で一番おもしろい人が集まる街にする」と真顔で語る彼のような人材がいると市議会にも化学反応があるんじゃないでしょうか。

人口減少・高齢化等の課題先進国の最前線ともいえる地方の現場ですが、「ほかの仕事をしていた方が良かったんじゃないか」的な若い世代が無理ゲー選挙に挑む勇気に万歳。ではでは。

新田 哲史
ソーシャルアナリスト/企業広報アドバイザー
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新田 哲史
アゴラ編集長/株式会社ソーシャルラボ代表取締役社長/NPO法人ICPF 情報通信政策フォーラム理事

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