オーベルジュはどうやって経営を成り立たせているのか --- 内藤 忍

2015年04月27日 12:58

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伊豆に来ています。昨日慌てて予約サイトを検索して、当日でも空いているオーベルジュを発見。午後から車に乗って出かけました。夕方には、ウグイスの鳴いている森の中で寛ぐことができました。伊豆牛を使った夕食も、東京に引けを取らない素晴らしいものでした(写真)。


4室だけのオーベルジュですが、宿泊者は他にいないようで、貸切状態でした。シェフと給仕の女性が3名。貴族になったような何とも贅沢な気分でしたが、このオーベルジュという業界。どうやって経営を成り立たせているのでしょうか?

まず、原価率が高そうです。食材はそれなりのものを揃えないと、わざわざ東京からお客さんは来てくれません。この日も、フォワグラ、サマートリュフ、伊豆牛、キャビアと高級食材が次々に出てきました。原価率は恐らく50%近くではないかと思われます。1組のお客さんのためにこれだけの料理を準備するのは、食材のロスも考えれば、かなり高コストです。

次に、人材の確保です。人里離れた場所に住み込みで働いてくれる従業員を確保するのは、簡単ではありません。定着しなければ、新しい人を探してまた1から教育しなければなりません。

そして初期投資もかなりの金額になります。銀行の保養所を改修したと聞きましたが、広大な敷地を贅沢に使って、わずか4室。ダイニングの内装や、部屋のデザイン、さらにワインの在庫など、気の遠くなるような投資です。恐らく、億単位の投資です。

集客も広告したりするのでは、集まりません。富裕層向け雑誌に掲載されたり、口コミで評判が広がるのを待つしかありません。攻めの営業がなかなかできないのが辛いところです。そして、1組しか予約が無くても、すべての施設を手入れして準備しなければならないのです。

お客さんとしてではなく、経営者としてオーベルジュを見ているうちに、どうやって経営しているのか、本当に不思議に思えてきました。

ワインバーも経営するのは、簡単ではありませんが、オーベルジュをビジネスとして長期間成立させるのは、さらにハードルが高いと言えます。以前、仕事で全国のオーベルジュを巡っていたことがありましたが、長期的視点でビジネスを考えることができ、お客様をもてなすことが心から好きな人でないとできない、参入障壁の高いニッチなビジネスです。

お客さんとして来るのは最高だけど、経営者になるのは無理。朝から部屋にある露天の温泉に入りながら、そう思いました。

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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2015年4月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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