インターネットが「破たん」する日

インターネットは8年後に破たんする、という話題がネット上で盛り上がっている。英国の研究者らによる調査によれば、インターネットのブロードバンド回線の通信速度はこの10年に50倍に上がったらしい。これはすでに光ケーブルの通信速度の限界に達していて、8年後にはその限界を超えてしまう。また、インターネット環境を支えるための電力供給量も同時に臨界点を迎え、インターネットによる利益はそのコストをまかなえなくなるそうだ。


確かに、スマホなどでも動画をストレスなく見ることができるようになった。ネット上の情報量は、幾何級数的に増大し続けている。その一方で、インターネットによるマネタイズもなかなかいいアイディアが出て来ない。誰もが無料でインターネット上の情報を利用できると思い込んでいる。通信量とコストの問題はインターネットを破たんさせるのだろうか。

研究者らは、いずれインターネットの使用料金が上がり、その利用には上限がつくようになる、と警告しているが、インターネット上に上げられた膨大なジャンクなゴミ情報をなんとかしなければならない、という議論が尽きることはない。通信量の問題は技術的に解決されるかもしれないが、電力消費量とコストの問題は今後も長くインターネットに重くのしかかり続けていくだろう。

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Tele Geographyによる海底ケーブルの世界地図。

Daily Mail
Is the internet on the brink of collapse? The web could reach its limit in just eight years and use all of Britain’s power supply by 2035, warn scientists


Hisataka Kobayashi, M.D., Ph.D.
Center for Cancer Research
各紙報道で紹介されている米国国立衛生研究所(NIH)国立がん研究所(National Cancer Institute)の日本人研究者、小林久隆さんのページだ。彼は、がん細胞を死滅させる新たな治療法を開発。それは、がん細胞に結合するタンパク質に患者の体外から近赤外線を当てることで、がん細胞を破壊する、というもの。マウスでの実験を経て、人体での臨床試験の段階に入ったらしい。抗がん剤での治療は、がんの周囲の正常な細胞をどう傷つけず、患者の負担を減らすか、という問題解決が重要だ。がん細胞だけピンポイントで狙う技術は多種多様なものがあるが、まだ完ぺきに有効な技術はない。日本人研究者が中心になって開発するこの技術が実用化されれば、まさにノーベル賞級と言われている。
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小林久隆さんのHP。京大医学部で学位を取得。兵庫県の灘高出身からか阪神タイガースファンだそうだ。

ネイティブ広告におけるクレジット表記について(スマートニュース 川崎)
SmartNews
雑誌などでも、いわゆるタイアップ広告の手法があるが、ネット上のものは「ネイティブ広告」などと呼ばれる。つまり、普通のコンテンツに紛れて入っている提供元がクライアントから広告として収入を得るコンテンツのことだ。一種の詐欺、とも批難されているわけだが、ネット上にはこの手法の広告がかなり見られる。表題のリリースは、ニュース配信アプリ「SmartNews」の見解。提供元のモラルが一定基準を満たさないと読者から見放されかねない。長期的にはコンテンツ提供者の損になるはずだ。

A central mechanism of aging identified – and it might be reversible
gizmag
これは、米国のソーク研究所SCIENCE」に発表された今回の研究では、ヘテロクロマチン(Heterochromatin)という遺伝子配列が老化に深く関わっていることが解明された。ヘテロクロマチンは細胞分裂の回数などをつかさどるテロメアの近くに位置し、これが減少することでテロメアが損傷し、老化が進むらしい。

Scientists tune X-rays with tiny mirrors
PHYS.ORG
レントゲン、X線は、波長が1pmから10nmの間の電磁波だ。ドイツの科学者ヴィルヘルム・レントゲンが発見し、同時にレントゲンは数学の「未知数」という意味の「X」と名付けた。放射線でもあり、X線管やクルックス管で発生させるが、セロハンテープを剥がすときの摩擦で発生させることもできるらしい。空港の手荷物検査はX線で行われる。この記事では、米国アルゴンヌ国立研究所の研究者が、X線を鏡でコントロールすることに成功した、と書いている。新たなX線の制御技術になるのだろうか。


アゴラ編集部:石田 雅彦