旅客機は「片肺」で飛行できるようにできている

2015年05月27日 09:53

先日、ある航空関係者と会話しているとき、自分の無知を思い知らされる場面があった。現在、旅客機の機材の多くが採用しているターボファンエンジンは、その推力のほとんどを「ファン」つまりプロペラによって得ている、という、ほとんど周知の事実を当方が知らなかったからだ。

ジェットエンジンなのだから、当然、後方へ噴射される圧縮されたジェット噴射によって推進するのだとばかり思っていたのである。もちろん、読んで字の如く「ファンエンジン」なのだから、ちょっと考えればわかりそうなものだが、ロケットなどの推力と混同していた、というわけだ。お恥ずかしい限りである。

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よく「バードストライク」といって、水鳥などがエンジンナセル内へ飛び込み、ファンを破損させる事故が起きる。ターボファンエンジンは、このファンが回転することによってプロペラと同じような推力を得ている。もちろん、エンジン後部の高圧タービンにもファンがついていて、燃焼されたジェット燃料を圧縮する役割を果たし、そこからも後方への推力が出てはいるが、推力のほとんどは前方の巨大なファンによるものだ。

表題の記事では、旅客機のエンジンがなぜ双発になってきたか、について解説している。なじみ深いジャンボジェット、B747は4発のエンジンだったが、今ではほとんどの旅客機は双発、つまりエンジンが二つしかついていないタイプになってきた。

5月23日にシンガポールから上海へ向かっていたシンガポール航空のエアバスA330が、高度約1万2000mを飛行中に双発両方のエンジンが止まってしまい、高度約4000mまで降下した間にエンジンを復活させる、という重大インシデントを起こした。幸い怪我人も出ず、同機は無事に上海へ到着したが、現在の旅客機のエンジンは信頼性が高く、両方のエンジンが同時に止まることはほとんどない。

仮に片方のエンジンが止まる「片肺」飛行となっても、飛行を続けることはもちろん離着陸することも可能だ。ちなみに、ジャンボジェットは、4発のうち3発が止まり最後一つのエンジンになっても飛行できる。この記事によれば、最新型の双発機B787の場合、片方のエンジンが止まっても5時間半は平常の飛行を続けられることが求められ、それをクリアしているそうだ。一安心である。

BUSINESS INSIDER
Really, it’s OK if your airliner loses an engine


Parochialism in preschool boys’ resource allocation
Evolution&Human Behavior
この論文で使われている「独裁者ゲーム(dictator game)」というのは、あるリソースを二人の人間で分け合う、というものだ。一方は独裁者役になり、そのリソースを相手とどのような分配割合で分けることも決定できる。すると、1:100でもいいのだが、ほとんどの場合、50:50に近い割合に落ち着く。この実験では、就学前の男女の子どもたちにグループを作ってもらい、ほかのグループとの間で独裁者ゲームをやってもらったところ、男の子のほうが自分たちとは別のグループに対して偏りのある分配をする傾向が強かった、という結果が出たらしい。ようするに、男の子は女の子よりも自分の属するグループを重要視しがち、というわけだ。なにやら示唆的な結果のような気がする。

We all want high social status
Science Daily
幸福感や価値観、人生の基本的なモチベーションは人それぞれだが、社会から認められたり尊敬されたり高い地位に登りつめたい、というのはありがちな動機だろう。この記事では米国カリフォルニア大学バークレー校の研究者の論文を紹介しているが、彼らは社会的な地位に関する個人的な主観を調査した世界中の数十個の研究を集め、比較してみたらしい。すると、やはり我々の多くは、社会的に認められたり必要とされたりすることが、大きなモチベーションになるということがわかったそうだ。また、社会的に低い地位にとどめられたりリスペクトされないことは、身体的な健康にも悪影響を与えることが示唆されたようだ。個々人の心理状態もそうだが、これは国際社会における国同士の関係やリスペクトも同じかもしれない。

ビタミンD生成・紅斑紫外線量情報
国立環境研究所・地球環境研究センター
紫外線は皮膚がんなどを誘発する要因になる、と悪者にされがちだが、我々の必須栄養素であるビタミンDを体内で生成するために重要な役割を果たしている。いったいどれくらいの量の紫外線を浴びれば、必要量のビタミンDが生成されるのか、そしてどれくらいの量で有害になるのか、その目安は実はあまりハッキリしていない。米国、ボストン大学の研究発表によれば、それは週に二回、5分から30分くらい浴びればいいそうだが、緯度や地域、高度、季節によって太陽光線の量や強さは違う。このサイトでは、その目安について速報値を提供している。紫外線の強まる今の季節に役立ちそうだ。

Black Solar Cells Reach Incredible New Efficiency Record
POPULAR SCIENCE
いわゆる「脱原発」のためには、化石燃料発電の高効率化や環境影響低減のほか、太陽電池などの再生可能エネルギー技術の革新が欠かせないが、前者はすでに技術的には飽和状態であり、後者についても画期的な前進はなかなか難しい状態だ。とりわけ、一般市民には太陽光電池に対する大きな期待があるが、現状の太陽光発電はそれほど高効率でも低コストでもない。この記事では、スペインの研究者らが、変換効率22.1%という新記録の「ブラックシリコン太陽光電池」の開発に成功した、と書いている。ブラックシリコンはその名の通り、黒い半導体素子で、従来の太陽光電池が活用できなかった赤外線などの長い波長までも電気に換えるらしい。記事で紹介しているように、太陽光電池の技術革新には三つの候補がある。実験室レベルでは可能でも、広く普及できなければコストを押し下げることはできないだろう。


アゴラ編集部:石田 雅彦


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