「進化」した「4階建て投資信託」は買ってはいけない --- 長谷川 良

2015年07月24日 13:35

150724アルファ・カルテット

経済評論家で楽天証券経済研究所客員研究員でもある山崎元さんのコラムによれば、毎月分配型投信は一世を風靡したグローバルソブリン(グロソブ)を第1世代とすれば「第4世代」と呼ばれる4階建ての商品にまで「進化」しているそうです。

図表は、第4世代の典型的な商品の説明資料をWebから引用したものですが(商品名は消去しています)、4つの収益源によってリターンを狙うという仕組みになっています。これが「4階建て」と呼ばれる所以です。

しかし、この説明だけを読んで、運用方法を理解できる人はほとんどいないと思います。日本株のアクティブ運用に、高金利通貨のスワップ金利を乗せて、さらに株式と為替のコールオプションの売り(カバードコール)でプレミアムを稼ぐという、トッピングてんこ盛り商品です。

複雑な仕組みにも関わらず、このファンドは残高が急増し、既に2000億円近くに達しているそうですが、その人気の秘密は分配金です。毎月300円の分配金が12か月連続で支払われているのです。基準価額は、10,000円を割れていますが、あまり気にする人はいないようです。

コストに関してはもっと気にする人は少ないようですが、販売手数料は最大で3.78%、年間にかかる運用報酬(含む信託報酬)は1.902%程度とこれも最高水準です。ノーロードの日本株インデックスファンドなら、販売手数料ゼロ、運用報酬は年間0.4%程度ですから、その差は歴然です。

資産運用の基本の1つは、「わからないものには投資しない」です。高配当が出せるように複雑に設計されたこの手の商品は、どのような値動きをするのか予想ができませんし、複雑な分、仕組みを作るコストが高くなってしまい、効率的な運用が実現できません。

日本株への投資をしたければ、単純に日本株に投資するファンドを購入すれば良いのです。

金融商品を料理に例えれば、インデックスファンドは、マーケットの動きを出来るだけそのまま投資家に届ける、お刺身のようなものです。アクティブファンドは、料理人が手を加えて味付けしたカルパッチョに例えられるでしょう。

その例えから言えば、この4階建ての投資信託は、日本料理とブラジル料理を4人の料理人が作って混ぜ合わせたようなもの。美味しいかどうかは、食べる前からわかります。

新鮮なお魚はお刺身にして食べるのが一番美味しい。これは資産運用でも同じです。なるべく手を加えないで、コストを下げて、市場の成果を投資家に届けてくれる。資産運用とは複雑に考えるのではなく、シンプルに実践することが大切です。

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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2015年7月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。


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