就活の規制を廃止して卒業を「前倒し」せよ

2015年10月16日 11:46


学生の就活シーズンが始まった。経団連はまた「採用選考に関する指針」を見直すそうだが、何度やっても効果がない。その原因は、JBpressにも書いたように、日本の大学の価値はその教育内容にはないからだ。

そもそも在学中から就活する習慣がおかしい。海外では、学生は卒業してから職さがしをするのが普通だ。それは大学の成績が、彼の専門能力の証明になるからだ。ドロップアウトも多いので、卒業するまで彼の人的資本は社会的に認知されない。

ところが日本では、ユニクロのように大学1年の4月に内定を出す企業もある。これは大学入試に合格した段階で、大学の役割が終わったとみなしているからだ。特に文系の学部で4年学んで得られる専門知識はほとんどなく、企業はその価値を評価していないのだ。

だから就職協定や倫理憲章や指針などと名前を変えて何度も行なわれた企業の自主規制も、すべて失敗に終わった。いつも大学から「早すぎる就活は学業のじゃまになる」という批判が出るが、企業はいい人材を採るために自主規制を守らない。3年生の冬に内定を出したら学部の成績はほとんどわからないが、企業に必要な情報は大学のブランドだけだからである。

こういう無意味な自主規制はやめ、内定は1年生から自由に出せばよい。かつて外交官試験は、大学3年で合格して中退できた。人手不足の中で、18歳から22歳の戦力が活用できれば、企業は活性化するだろう。「中退」に抵抗があるなら、大学は単位数ではなく「卒業試験」で前倒しで卒業認定すればいい。

もちろん内定をもらっても勉強したい学生は、卒業まで大学で勉強すればいい。そういう本当に勉強したい学生だけが(年齢を問わず)勉強するのが、本来の大学だ。そうすれば大学にも(学生にいてもらうために)教育内容の競争が起こるだろう。

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池田 信夫
アゴラ研究所所長 青山学院大学非常勤講師 学術博士(慶應義塾大学)

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