ラグビーワールドカップの日本の快進撃は記憶に新しく、中でもあの五郎丸歩選手がキック前にとる独特のポーズは、子どもたちからハロウィンのサラリーマンにまで幅広く真似されるなど注目を集めていますよね。
そんな中、関善光寺(岐阜県関市西日吉町)の仏像の姿が、ラグビー日本代表の五郎丸歩選手の「あの」ポーズに似ていると話題なんです。
この仏像は、寺の大日堂に鎮座する「宝冠(ほうかん)大日如来」で高さ三メートルほどの銅製。体の正面で手を組む「印相」が、ずばり五郎丸選手と一緒だと話題を集めているのです。
佐藤舜海(しゅんかい)住職(40)によると、参拝者からの指摘を受けて似ていることに気がついたそう。その方いわく、テレビの試合を見ていて何処かで見たことがあると思い気が付いたのが関善光寺の大日如来様だったとのこと。佐藤住職が自身のフェイスブックに「関の五郎丸」と投稿して、ここのところ、ぐっと広がりを見せています。そこで、佐藤住職に気になる幾つかをインタビューでお聞きしました。
Q.参拝者の反応はいかがでしょうか?
参拝者の皆さまから五郎丸の手の組み方だとよく言われます。
大日如来を参拝する方々はみな同じ手の組み方(五郎丸選手ポーズ)をしてお参りしています。
Q.こうした「印相」をした仏像は、珍しいものですか?
この手の組み方をしている仏さまは日本には存在しないかと思います。通常手の組み方(印相)にはすべて意味がありますが、この仏さまの印相は他にはないためどのような意味があるかは不明です。
仏像に詳しい県博物館(関市)の守屋靖裕学芸員(41)は「日本でこの印相の仏像はかなり珍しい」と話す。中国の明から清の時代のものとみられるが、仏像の由来や印相が示す意味は不明だ。守屋学芸員は「印相は仏が自らの内面的な意志を表すもの。精神統一の意味では五郎丸選手のポーズと共通するのではないか」 (11月2日・中日新聞夕刊)
Q.注目をうけ、今お感じになっていることがあれば教えて下さい。
本尊が五郎丸選手と似ているということで注目を集めているのもまたありがたいことです。これをご縁にたくさんの方にお参りしていただければと思います。五郎丸選手、そしてラグビー日本代表のみなさんには、これからも日本の方々に勇気と感動を与えるべく、頑張って頂きたいと思います。
こちら関善光寺は、比叡山安楽律院智堂大和尚を開基とし、宝暦3年(1753)一品親王の命により、大垣市青墓竹本院の古跡を安桜山麓の当所に移し建立されたもの。御本尊の丈六阿弥陀如来は木造仏として岐阜県最大です。約5百年前の作で、脇侍の観音菩薩、勢至菩薩と共に岩手県平泉中尊寺より千葉県泉倉寺を経て安置されたとか。その御腹中の胎内仏「宝冠阿弥陀如来」は行基菩薩御作といわれ、「安産、育児の守護仏」として広く信仰されているようです。
なお、全国高校ラグビー岐阜県予選がはじまり、シード校で地元・関商工は今週7日(土曜日)の試合の後、来週はじめには必勝祈願に行かれるとのこと。まさに、五郎丸選手にあやかりたい、ということですね。
関善光寺では座禅体験や写経体験なども行われているとか。これを機会に、世にも珍しい五郎丸ポースの大日如来の霊験と、ワールド・カップでの五郎丸選手の活躍にあやかるべく参拝されてみてはいかがでしょうか。
関善光寺
〒501-3882 岐阜県関市西日吉町35
http://www.seki-zenkoji.jp
秋元祥治
NPO法人G-net代表理事・滋賀大学客員准教授・OKa-Bizセンター長
ではでは。
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