イスラム過激派に対峙する政治思想はあったのか? --- 岩田 温

2015年11月16日 13:50

アメリカのネオコンの代表的人物ともいうべきウィリアム・クリストルが「イスラム国」を掃討するために50000人の部隊を送れと主張しているようだ。実際に、どれくらいの規模の軍隊を投入すれば、掃討できるのか?そして、その後はどうなるのか?全く分からない。

過去を振り返って見ると、リベラル・デモクラシーは、ナチズムやファシズム、共産主義にも武力で勝利したことはあるが、リベラル・デモクラシーは思想的優位を思想によって明らかにしていない。ドラッカーの『「経済人」の終わり』やハイエクの『隷従への道』などの良書があったのは事実だが、対イスラム過激派には何か思想があったか?

フランシス・フクヤマの『歴史の終わり』がリベラル・デモクラシーこそが、普遍的な価値であると説いたが、同書はイスラムを蔑視することによって成立している。

ナチズムも共産主義も自滅していったが、イスラム過激派は自滅するのか?今日の思想的課題は、再び、リベラル・デモクラシーが「普遍的価値」足りうるのか?という問いを突き付けられているように思う。仮にイスラム国を掃討できても、イスラム過激派という思想を根絶することは不可能だ。

イスラム過激派と向きあうためには、我々があまりに軽視してきた12億人もの人々が信仰するイスラム教と真摯に向きあうことから始めるべきだろう。

そんなことを雑誌に書いているのだが、もう締切だよ!


岩田温さん写真


編集部より:この記事は岩田温氏のブログ「岩田温の備忘録」2015年11月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は岩田温の備忘録をご覧ください。


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