ビル・ゲイツの新しいエネルギーファンド

2015年12月01日 09:28

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パリで開かれているCOP21で、ビル・ゲイツがBreakthrough Energy Coalitionの設立を発表した。これは温室効果ガスの「排出ゼロ」をめざし、ジェフ・ベゾス、リチャード・ブランソン、孫正義、ジョージ・ソロス、メグ・ホイットマン、マーク・ザッカーバーグなど世界の富豪が新しいエネルギーの研究開発に数千億ドルを出資するものだ。その原則として、彼は次の5つをあげている:
  1. 早く投資する:新しいエネルギーのポテンシャルは大きいが、技術的・資金的な障害に阻まれている。これを実現するには資金的リスクを除去する必要がある。

  2. 広く投資する:何がもっとも効率的なクリーン・エネルギーかはまだわからない。われわれは電力だけでなく、交通、工業、農業、省エネなどの広い範囲に投資する。
  3. 大胆に投資する:われわれは既存の技術を実用化するだけではなく、遠い未来に実現する画期的なイノベーションにも投資する。
  4. 賢く投資する:未来のエネルギーは、効率的でなければならない。それを可能にするためには、技術開発だけでなく、公的部門の規制改革も重要だ。
  5. 共同で投資する:新しいエネルギーの研究開発は、しばしば巨額の長期にわたる投資を必要とする。これを実現するには、政府の投資も重要だ。

彼はCOP21で、オバマ大統領と共同で、官民協力によるプロジェクトを発表する予定だ。このプロジェクトがこれまでの左翼NGOと異なる最大の特徴は、未来のポテンシャルの最も大きなクリーン・エネルギーとして太陽エネルギーと原子力をあげていることだろう。

Atlanticなどのインタビューで、ビルは「新興国で問題になっている石炭火力による大気汚染を解決するためにも、火力発電を減らすことが重要だ。それには太陽や風力のようなエネルギーだけではだめで、24時間動く原子力が必要だ」と論じている。

ビルが第4世代原子炉の開発に投資していることは周知の事実だ。彼はTerraPowerの会長になり、中国などに売り込んでいる。kWhあたりのCO2排出量で考えると、圧倒的にクリーンなエネルギーは原子力だ。新しい技術開発には大資本と長時間が必要で、安全性や規制などの政治的障害も大きいが、どれも解決できない問題ではない。

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池田 信夫
アゴラ研究所所長 青山学院大学非常勤講師 学術博士(慶應義塾大学)

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