ロケットは帰還できても、ドローンの着地は案外難しい

2015年12月02日 11:59

ドローンを利用するのはさまざまな用途が考えられますが、離島の病院に医薬品などを搬送するというものもあれば、アマゾンのように個人の家に荷物を宅配しようというのもあります。しかしこのドローンで個人の家に荷物をどどけるというのは、もしかすると、先日、アマゾンのベゾスCEOが率いる宇宙開発企業ブルー・オリジンが成功させたロケットの垂直軟着陸よりもハードルが高いのかもしれません。
アマゾン創業者の宇宙ロケット「歴史的着陸」:日本経済新聞


荷物を目的の家まで運ぶのはそう難しいことでなくとも、問題はどこにドローンを着陸させるのかです。それでもあくなきチャレンジを続けるのがアマゾンらしいところですが、このパズルは結構難問です。
しかしアマゾンのアイデアは、広い庭の安全そうなところにアマゾンのロゴが入ったプラカードのようなボードを置くと、そこをめがけてドローンがやってくるいうローテクながら、なるほどねというアイデアで解決しようとしています。

しかし、意地悪なというか、いたずら好きなユーザーだと、わざと着陸が難しいところにボードを置いて、ドローンと知恵や技を試すことを楽しむ人もでてきそうな感じもしますがどうでしょう。

日本なら、非常に高度な宅配システムがあり、配送も早く、コストも安いので、ドローンで荷物を届ける必要性は低いと思います。しかも電信柱で張り巡らせた電線をかいくぐるのも大変で、マンションではドローンが着いてもどこに荷物を届ければいいのかもわかりません。実現の可能性もかなり低いのでしょう。

しかし、日本ほど住宅が密集していないアメリカは、宅配料金が高くつき、また配送にも時間がかかります。たとえ、プライム会員になっていても届くのは2日後というのもあたりまえのようです。
第3回:配送サービスの品質が大違い、日米のAmazonを比べてみた:日経ビジネスオンライン

だから日本ではアウトソーシングしている宅配も、アメリカではアマゾンが自前で配送しているのですが、無人で荷物を届ければ配送のコストも下がり、スピードアップも可能になってきます。

しかも仕組によってコストダウンし、またユーザー体験の質をあげるというのはアマゾンの勝利の方程式みたいなものなので、なおさらドローンによる解決にも力が入ってきます。それにアマゾンの売上の7割を北米でのネット通販事業が占めているので、なおさら力が入るのでしょう。必要は発明の母といわれますが、イノベーションも同じです。しかし、技術さえ極めればということではなく、なにが「必要」なのかの目のつけどころこそがとても大切なのだと感じます。

株式会社ビジネスラボ 代表 大西 宏

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大西 宏
株式会社ビジネスラボ代表

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