世界一「チャレンジしない」日本の20代の問題点 --- 松田 公太

2015年12月10日 13:30

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▲日本の若者は“目覚め”ることができるか(アゴラ編集部)

先週のニューズウィーク日本版の記事「世界一『チャレンジしない』日本の20代」が話題になっています。

その内容は、武蔵野大学講師の舞田敏彦氏が、2010~14年に各国の研究者によって実施された『世界価値観調査』を分析したもの。

世界価値観調査では、「新しいアイディアを思いつき、クリエーティブであることを大切にしている」と「冒険してリスクを冒すこと、刺激のある生活を大切にしている」という項目に自分が当てはまるかどうかを尋ねていますが、日本の若者の肯定回答の比率は両者とも断トツで世界最低というのです。

たしかに、59か国の20代の若者の回答を、横軸に前者(クリエーティブ志向)、縦軸に後者(冒険志向)をとったグラフで表すと、日本は一番左下に孤立する形でプロットされています(両軸の基準点が0ではないことに若干強調が感じられますが)。

クリエーティブ志向肯定率は平均80%弱に対して50.9%、冒険志向肯定率は平均60%弱に対して23.1%となっているのです。

しかし、私が危機感を抱くのは冒険志向の方で、クリエーティブ志向についてはそれほど深刻ではないと思っています。

それは日本が世界で最もクリエーティブな国だからです。米国の「アドビシステムズ」が2012年4月に米英独仏日の5か国で18歳以上の各1000人(合計5000人)に調査したところ、最もクリエーティブな国1位に選ばれたのは日本(ちなみにクリエイティブな都市1位は東京)。電通が2014年4月に18の国と地域で行った調査でもこれを裏付けるような結果となっています。

これらの結果では、大半の日本人は必ずしもそうとは考えていないことも示されており、問題は自己評価の低さだと分かります(世界価値観調査はそれが表れたものでしょう)。このことは何とかしなければなりませんが、創造的だという客観的評価があれば、主観的にもそうなっていくことが期待できます。

一方で、冒険志向の方については、なかなか肯定的な話を聞きません。低い転職率や開業率、減り続ける日本人留学生…。

失敗することへの恐怖、一つのことを継続することへの尊重などが根底にあるのでしょう。

それが日本でのベンチャー(冒険)が少ない原因にもなっています。

やはり重要なことは、失敗が許される社会、変化を積極的に受容する社会になっていくことです。

現在の制度は、残念ながら全くそのようになっていません。

新卒一括採用(&薄れつつあるものの続いている終身雇用)、経営者保証が要求される融資システム、ほとんど崩せていない既得権益等々。一度失敗したら立ち直れず、新しいことや他と違うことができないという状況です。

これを変えていくのは極めて困難です。正面からぶつかっても成功は難しいでしょう。しかし、ちょっと回り道をすれば意外とすんなりいくかもしれません。それは、多様性を認めていくことです。

様々なものに価値が認められるようになれば、成功と失敗の2極化がなくなりますし、それを生み出す源の変化に対しても寛容になります。

クリエーティブ志向は、日本で情熱をもって仕事をしていけば身につくはずですので、後は自分でそれに気づけるようになるかどうかの話です(謙遜の文化があるのでなかなかそうはならないかもしれませんが)。

問題は冒険志向の方ですが、それは多様性を認めていくことで高まっていくのではないでしょうか。まず今ある様々なものを受け入れることから全てが始まるのかもしれません。


松田公太宣材

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編集部より:この記事は、タリーズコーヒージャパン創業者、参議院議員の松田公太氏(日本を元気にする会代表)のオフィシャルブログ 2015年12月10日の記事を転載させていただきました(アゴラ編集部で画像編集)。オリジナル原稿をお読みになりたい方は松田公太オフィシャルブログをご覧ください。

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