投資信託の「隠れコスト」にご用心 --- 内藤 忍

2015年12月19日 17:00
151219Fundcost2-e1450484925814

本日の日経新聞朝刊には「日経の良心」とも言える田村正之編集委員の署名記事が掲載されています。テーマは投資信託のコストについてです。

投資信託の保有期間中には信託報酬がかかります。しかし、もう少し細かく見ていくと信託報酬以外にもかかるコストがあるのです。例えば、組み入れ銘柄を売買する時の手数料、外貨建て資産の売買時の為替手数料や資産の保管にかかる費用などがそれに当たります。真にかかるコストとは、信託報酬にこれらを合計した実質コストで見る必要があるのです。

このような信託報酬以外の実質コストは、運用報告書を見なければ記載されていません。米国では投信の保有コストについては、日本の実質コストにあたる「エクスペンスレシオ(総経費率)」という比率で判断するのが一般的だと言います。個人投資家にわかりにくいように巧妙に掲載されていると思ってしまうのは穿った見方でしょうか。

いずれにしてもこの実質コストは、新興国関連ファンドや、売買の頻度が高いアクティブ型のファンド、そして純資産の規模が小さいファンドが大きくなりがちと記事では分析しています。

表も日経新聞からの引用ですが、投資対象別にファンドの平均値を比べたデータでは、国内株式の実質保有コスト(年率、%)は1.49%と信託報酬より2割程度高いのに対し、新興国株式では4割も高くなっていることがわかります。

また同じ日本株式のファンドであっても、アクティブファンドは売買頻度が高くなる傾向があり売買手数料がかさむ。その分実質コストが大きくなりがちです。さらに、純資産が小さい時期に大きな資金流入があると、銘柄を買い付ける際にかかる手数料の影響が大きくなり、実質コストが高まる要因になります。

金融商品で大切な3つのことは「コスト、コスト、コスト」です。投資信託に関しては、信託報酬だけではなく、それ以外のコストも比較して最終的な実質コストで判断するのが良いということになりますが、意外に手間のかかる作業です。

興味のある人は、自分の保有しているファンドの運用報告書を見て調べてみるのが良いですが、面倒だという人は、少なくとも信託報酬のインデックス型のファンドで純資産がある程度の規模で着実に増えているものを選べば、まずは大丈夫です。


※毎週金曜日に配信している「資産デザイン研究所メール」。資産を守り増やすためのヒントから、具体的な投資のアイディア、そしてグルメな情報まで、無料でお届けします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2015年12月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。


タグ:
アゴラの最新ニュース情報を、いいねしてチェックしよう!

アクセスランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

過去の記事

ページの先頭に戻る↑