年頭所感

2016年01月04日 11:50

 新年明けましておめでとう御座います。正月三ヶ日とも全国的に天候に恵まれ良かったですね。


 さて吉例に従い、今年の年相を干支で見てみましょう。

 今年は丙申(へいしん・ひのえさる)です。それぞれの字義について見ましょう。

 先ず丙の字形ですが、甲骨文字研究者の釈文は種々多様です。例えば、宗教的祭儀に用いる机の形に象(かたど)るとか、魚の尾の堅く緊張させてピンと両側に張り出した形に象るとか、あるいは双出の芽が両側にピンと伸びた様を象るとかです。更には、人が両股をピンと張り出した様の象るとするものもあります。こう見てみると、この丙という字は何かが左右にピンと張り出している形から来ているようで逞しい生命力が感じられます。

 次に丙の字義ですが、『説文』に「丙は南方に位(くらい)し万物成りて炳然(へいぜん)たり。陰気初めて起こり陽気まさに欠けんとす。一の冂(けい)に入るに従(したが)う。一なる者は陽なり」とあります。つまり、夏に陽気がぐっと伸長して万物が繁茂し、光り輝いているということです。しかし、昨年乙年より陽気が大いに発展し伸び切ったものの、陽気が盛んになる一方で、既に陽気が隠れ始めることも意味しています。陽気が窮まると冂(けい)即ち、かこいの中に陽気が入って、やがて陰気が生ずる気運となるのです。上記のように基本的には、丙年は物事が盛んになり伸張する年ですので、希望が持てる年であると言えそうです。五行説で見ても丙は火の兄であり、火扁を付けた『炳』に通じ、「あきらか」「つよい」という意味があります。『釈名』には「丙は炳なり。物生じて炳然、皆著明なり」とあります。丙は炳で、強いエネルギーで光り輝き、物事を燃焼発展させると共に、これまで曖昧だったものも全てあきらかにして行くということです。しかし有頂天になり油断すれば、陽気が欠け陰気が生まれ衰弱をもたらすことになりかねないということに留意しなければなりません。

 次に申について見ましょう。

 甲骨・金文の字形では、稲光の形とされています。稲光が斜めに屈伸して走ることから、申は伸に通じ、伸びるという義になります。色々と新たな勢力や様々な動きというものが伸び、形になってくるのです。

 また申は雨をプラスした「電」の原字で、電は電光石火、電撃等の熟語にあるように凄い輝きや素早い動きを表しています。こうして見ると、申は単に伸びるだけではなく、ある種の激しさを伴う様子と解するべきでしょう。

 また申に口を付けると「呻(うめ)く」という字となり、万物が成熟して締め付けられて固まって行く完熟する前の有様を指しているとされています。

 更に一説によると申は身でもあり、身体の骨格、背骨と肋骨を表し、万物の身体がまっすぐに伸びて確立することも表しているとされています。

 以上の字義により丙申の年相は、基本的には陽気満ち大いに発展出来る年ですが、善悪様々な勢力・動きというものが出てあきらかになってきて、これまでの努力が結実して成果となって表れたり大問題が時として逆に表面化したりするでしょう。

 得意淡然・失意泰然という言葉の通り、物事がうまく行っても油断せず、驕(おご)り高ぶることなく、うまく行かなくてもゆったりと構えて時節到来を待つということが大切です。

 今年のような「陽極まりて陰生ず」という変革期となる可能性の高い年回りでは、時代の趨勢を見極め、目先のことに振り回されないように的確な判断と責任ある行動が求められるのです。

 今年は、今後の世界情勢を見る上で最も重要なイベントであるアメリカの大統領選挙があり、日本でも参院選(ひょっとしたら衆参同時選挙)があります。またアメリカの利上げも何回か行われましょう。更に欧州の難民問題、中東の混迷、中国の経済成長の減速と実に多事多端であります。株式相場の格言で「申酉(さるとり)騒ぐ」とありますが、経済は騒がしくなることが予相されます。

 過去の丙申の年がどうであったか簡単に触れておきましょう。

 六十年前の一九五六年を振り返ると十月に日ソ共同宣言、十二月には国際連合への加盟と、国際社会における日本の地位は、戦後外交史上最大の転機となりました。また国内景気も五四年十二月から始まった神武景気の真っ最中で、五六年の経済白書で使われた「もはや『戦後』ではない」という言葉が流行語となりました。海外ではスーダンがイギリスから独立、モロッコやチュニジアがフランスから独立しました。またスエズ危機、第二次中東戦争、ハンガリー事件等々の紛争・戦争もありました。

 一二〇年前の一八九六年には、三陸地方に大津波が発生し、死者は二万七千百二十二人(二七、一二二人)に及びました。百八十年前の一八三六年には、アラモの戦いが起き、テキサスがメキシコから独立を宣言しました。二四〇年前アメリカの独立宣言が発布されました。

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