自殺者を減らすために --- 松田 公太

2016年02月02日 13:00

suicide
▲改善傾向もまだまだ対策が必要な自殺問題(アゴラ編集部)


年間3万人の自殺者数。
これは、私が国会議員になった2010年に聞いた数字でした。そこから6年連続して自殺者数は減少しています(去年は約2万4千人)。

何故減っているのでしょうか。

デフレが少しずつ改善し、失業者数が減ってきた(2010→2015年)などの要因もありますが、もう一つ考えられるのは、2006年に自殺対策基本法が制定されたこと。その後、2009年に政府が地域での自殺対策を推進するための基金を造成したことです。

日本で自殺者が最も多くなる3月を自殺対策強化月間として徹底的に啓発活動や相談会を行ったり、財政的にひっ迫している自治体の取組みに基金からの助成を始めたことで、2010年ころからそれらの効果があらわれてきたと考えられます。

改善はしてきていますが、日本の自殺死亡率は欧米先進諸国と比較すると、未だに高い水準にあります。若年世代(10代、20代、30代)では自殺が死因の1位となっていることも大きな問題です。

これから、もっともっと減らさなくてはなりませんが、その際に重要なのは、日本全国「各地」で生きる支援を充実させていくことです。

現行の自殺対策基本法では「自治体の責務」がうたわれていますが、対策への取組状況は市区町村によって大きく異なっており、地域間格差が生じてしまっている状況です。住んでいる地域によって、生きる支援を受けられる人と受けられない人が出てきてしまっているのです。

自殺対策は幅が広く、万能薬はありません。しかし、属性ごとに抱え込みがちな問題には傾向が見られ、それらを解決することが有効です。たとえば、渋谷・新宿では20代女性が、足立・台東では中高年男性が多いなど、地域性がありますので、似たような地域での先進的な取組みを参考にすることで効果的な取組みを行うことができると期待されます。

このような現状を踏まえ、今国会では、自殺対策基本法を改正するための議員立法(超党派)が提出される予定です。目標は「自殺対策行動計画」の策定を各自治体に義務づけることです。

また、法案自体は予算措置のないものですが、成立後施行される際には、どんな自治体であってもしっかりと対策に取り組めるよう恒久財源を確保することが不可欠となります。現在、必要とされている額は年間に約30億円。自殺者を減らすためには、財政が厳しい中でも、もっと出せるはずです。

なぜ自殺してしまうのか。その人たちは何を抱え込み、何に追い詰められてしまうのか。最悪の結果を避けるために、今後も様々な取り組みが必要です。


松田公太宣材


編集部より:この記事は、タリーズコーヒージャパン創業者、参議院議員の松田公太氏(日本を元気にする会代表)のオフィシャルブログ 2016年2月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は松田公太オフィシャルブログをご覧ください。

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