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東京のダメポイント、6点。ラスト。
6 売り
「「何が売り」なのか、が弱いと思います。歴史や文化に興味のある人は京都に行きます。じゃあ東京は何なのか?観光客が大好きなナイトビジネスも規制が強いですし海外の夜遊び場所に比べても六本木は分かりにくく、中途半端でダサい。カジノも無い。
「アニメ、漫画のコンテンツ力もアジアに負けつつある気がします。「世界に誇る日本のアニメ」のブームが去りそうな今となっては秋葉原も賞味期限が近いかと。」
「個人的にはもっとサイバーに、もっとエキゾチックでクレイジーな東京を感じれるスポットが欲しいですね。今の東京には「AKIRA」で世界中が熱狂した近未来都市「ネオ東京」はどこにも感じられません。」
ヤバいですね。
総合力で首位の東京、というたてつけで議論を始めたんですが、総合力がユルい、という評価なのです。
マンガ・アニメ・ゲーム。ファッション。伝統文化。食事。産業集積。技術。安全。それら東京の持つ強みを、もっと際立たせることでしょうか。
それとも、カジノやナイトスポットなど、他の都市に劣るエンタテイメントを充実させることでしょうか。
2020年に向け、東京は何をすべきでしょう。
さて、総じて明らかになったのは、東京は「民」が優れているのに「公」がダメ、ということです。
東京が評価されているのは、ポップカルチャーにしろ、食にしろ、技術や産業にしろ、企業やクリエイターやユーザなどの「民」が支えてきたものです。
他方、今回、学生たちがダメ出ししたのは、1)交通、2)通信、3)金融、4)公共空間、5)景観など、インフラや制度に関わるものが多く、「公共」部門が何とかしなければいけないもの。
どれも東京都や国交省や総務省や財務省といった役所が関わるべき案件ですよね。
言い換えれば、「官」の失敗を「民」が補って、世界水準を保っているということです。
ではどうする。弱みを建て直すため、官にがんばってもらう。これは必要なこと。お願いします。
でも、それに頼るのはやめましょう。見込みが薄いから。
民がもっと突き抜けて、その強みと魅力をもっと高める。そのほうが見通しがききますよ。願わくは、官には民が突き抜ける邪魔をしないよう、規制緩和したり、目をつむってもらったりすること。それを期待します。
港区竹芝の「CiP」は、民の力を集めて国家戦略特区を作る構想です。そのために産学が連携して、産業と文化と技術を集結します。東京の面白さを世界に示したい。官にはそれを可能とするように、後押ししていただきたいと存じます。
編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2016年2月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください。