都内でシングルマザーに優しい3つの自治体はどこ? --- 選挙ドットコム

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シングルマザーの増加・厳しい平均年収


離婚率の増加に比例して近年、シングルマザーが増えています。
年代別に見ると、シングルマザーの数は2000年に約86万人だったのが、2010年には約108万人、2017年現在は120万人を超えています。

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出所:総務省統計局 2010年国勢調査産業等基本集計第29表 総務省統計研修所 2000年、2005年国勢調査特別に集計した結果

平成23年に厚生労働省が実施した全国母子世帯等調査結果報告によると、シングルマザーの就労による平均年間収入は223万円。内訳は100~200万円未満の家庭が全体の64%とやはり厳しい経済状況がうかがえます。

育児支援が充実している東京の自治体紹介


今回は東京でシングルマザーにやさしい3つの自治体をご紹介します。

武蔵野市

武蔵野市がシングルマザーにやさしいと言われる一番の要因はやはり充実した家賃補助と保育料の安さです。武蔵野市の家賃補助の制度としては「ひとり親家庭住宅費助成制度」があります。これはひとり親家庭がいくつかの条件を満たした場合に市から月額1万円の補助がえられる制度です。
他の自治体でもひとり親家庭にたいしてこのような助成を行っている自治体は多いが、助成を受けられる条件厳しい自治体が多く、武蔵野市は所得や在住期間(6ヵ月以上の滞在)といった最低限の条件のみで年最大12万(平均年収223万で計算)が得られることが魅力です。

詳しくは下記をご参照ください(武蔵野市ひとり親家庭住宅費助成制度)

また、保育料は渋谷区に次ぐ第2位の安さで都内平均と比べると年5万以上安くなります。また、28年4月からは認可保育園が新設され、大幅に保育定員が増える予定です。
家賃補助の金額:月額1万円

保育料:月額4,400円

保育園の待機児童数:127人

国立市

自分は働きにでて家計を支えなければならないシングルマザーにとって重要と考えられるのが、子供を預けられる保育園や学童クラブです。国立市は保育園の待機児童の数が2013年時点で都内自治体中5位(32人)。学童クラブの待機児童数は都内1位(0人)。未就学時から就学後も比較的安心して子供を預けられるのが同市の魅力です。さらに国立市は武蔵野市に劣らない家賃補助を行っている事からもシングルマザーにとてもやさしい市のひとつとなっています。
家賃補助の金額:家賃の3分の1の額で、限度額月額1万円

保育料:月額5,500円

保育園の待機児童数:34人

渋谷区

都内で保育料が安い自治体トップ5「渋谷区」「武蔵野市」「小金井市」「日野市」「府中市」に唯一23区でランクインした渋谷区。具体的な定めは自治体の規則によって行われる場合が多い保育料は自治体間の格差が激しいのが現状です。4歳以上の子どもを保育園に通わせた場合、自治体によっては月に最大 9,800 円(年収 223 万円の場合)の差が生じ、年間だとその額は 12 万円にも及びます。家計を大きく圧迫する保育料を少しでも安く済ませることは最重要事項と言えるかもしれません。
家賃補助の金額:--

保育料:4,600円(軽減後0円)

保育園の待機児童数:252人

※保育料の軽減、減免について

(渋谷区HP)

番外編—品川区

品川区は上記の3自治体には及ばないが、近年子供の数が増加しています。その理由としてまずあげられるのが、学童クラブの充実度です。
「東京の児童館・学童クラブ事業実施状況」を見ると、品川区の学童クラブ登録児童数(2014年)は約5,470人と2位の世田谷区4,700人を大きく上回ります。品川区では、学童クラブ待機児童数の増加の影響で全国的に難しくなっている4年生以上の児童の受け入れにも積極的で登録児童数における4年生以上の割合が3分の1をしめています。一方で3年生以下の登録児童数も50.8%にのぼり、23区の平均29.1%を大きく上回っています。

また全国に広まった「八三運動」(朝の8時と昼の3時にとにかく外にでようという運動)も、品川区が発祥です。これは子供の下校時間に、地域総出で子供の安全を守ろうとする運動です。品川区ではその他にもGPSを搭載した防犯ブザーが配られており、子供のSOSにたいして区内登録のボランティア1万3000人に発信され、子供のもとに誰かしら駆けつけられるようになっています。数値では計りにくいですが、これは究極の子育て支援と呼べるかもしれません。
家賃補助の金額:--

保育料:13,700円

保育園の待機児童数:215人

全国統一の児童扶養手当・児童育成手当の他、このように、自治体はそれぞれシングルマザーにたいしてさまざまな支援を行っています。子育てに時間がとられ、満足な収入がえられない人はこれら自治体がそれぞれに持つ制度をうまく利用することも考慮のひとつにいれるとよいかもしれません。

※保育費用負担については年収223万(シングルマザー平均年収)、所得割額486,00円、4歳以上の第一子と仮定して産出しています。

(品川区、渋谷区)

https://www.city.musashino.lg.jp/dbps_data/_material_/_files/000/000/022/231/2015.pdf(武蔵野市)

https://kunitachinews.com/2014/kunitachi-children-on-waiting-list-statistics(国立市)

1枚目写真著作者:PublicDomainPictures

選挙ドットコム編集部

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編集部より:この記事は、選挙ドットコム 2016年2月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は選挙ドットコムをご覧ください。