「どうして自分は評価されない⁉️」私も思ってました --- 恩田 聖敬

hyoka
接客業の基本は「掃除」と「挨拶」だと言われます。
おそらく研修などで、みっちりと教え込まれるはずです。

では、正しい「掃除」とは?
私は「他人から見て綺麗な状態にすること」だと思います。
決して雑巾をかける事でも、ほうきで履くことではないのです。
結果、お客様に清潔感を感じていただくことがゴールです。

一方、正しい「挨拶」とは?
私は「挨拶の相手に自分の思いが伝わること」だと思います。
大きな声や元気良くというのは手段です。
「目は口ほどに物を言う」と言いますが、態度として表れる全てがお客様には伝わります。思ってないことは、いくら技巧を駆使しても伝わらないと私は思います。

このように見てみると、「掃除」も「挨拶」も善し悪しを決めるのは、自分ではなく他人であることが分かります。この二つのことに限らず、成果に対する評価は他人がくだします。よく考えれば当たり前の事ですが、このことに気づくのに私は4~5年かかりました。

思い起こせば、新卒3~4年目、現場から離れ慣れない経理業務をやらされ、ひたすら残業の日々、ストレスを食べることで発散し、体重は今より20キロ重かったです(笑)
毎日「俺はこんなに苦しみながら仕事してるのに、何でみんなは、、、」みたいな事を思ってました。そして、その当時の私の評価は低かったです。

全くひとりよがりの頑張りで、まわりの仕事ぶりを理解しようともしなかった私が、評価される訳がないのです。今の私が当時の自分を見たら、「扱いにくい奴や」と評価すると思います。その後、色々ある中で「客観視」を身につけて行き、その見方を身につけた後、取締役にしていただく評価を得ます。

経営者は自分の好みでは無く、会社にとっての善し悪しをもって意思決定します。ひとりよがりでは通用しません。取締役にならせて頂いてからも、勉強の連続でした。

自分の思いとまわりの思いをどう融合し、表現していくか。
まわりの事をよく見れば、掃除も挨拶もそれ以外の事も、今より上手くいくと思います。
自分の為に、まわりを見渡してみるのも良いのでは。

恩田聖敬

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恩田 聖敬(おんだ・さとし)
1978年(昭和53年)岐阜県生まれ。京都大学大学院卒業後、2004年複合レジャー施設「JJ CLUB 100」を運営するネクストジャパンに入社。2009年には取締役就任。その後グループ会社であるアドアーズの常務取締役として全国のゲームセンター店舗を回り、希望退職を実施し、大規模な改革を行う。親会社のJトラストでM&A等を担当した後、14年4月に岐阜フットボールクラブの代表取締役社長に就任。サービス業の経験と、会社管理の経験をフルに活かし、サッカービジネスにエンターテイメントの要素を導入も、社長就任と同時にALS(筋委縮性側索硬化症)を発症。病を公表後も社長業を続投したが、15年11月末の公式リーグ最終戦を以って病の進行により、止む無く社長を辞任。


この記事は、岐阜フットボールクラブ前社長、恩田聖敬氏のブログ「片道切符社長のその後の目的地は? 」2016年2月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。