中国、G20後に預金準備率を引き下げ --- 安田 佐和子

2016年03月01日 06:00

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中国人民銀行は29日引け後、預金準備率の50bpの引き下げを発表しました。前回2015年10月に続く措置。2015年は6月は農業・中小企業向けに一定の貸出を行う銀行のみが対象だったものの同年2月、4月、8月、10月の過去4回と同じく大手銀を含み、大手銀への預金準備率は17.0%に設定されます。

声明では「システムに潤沢な流動性を与えるため」と説明。今回の対応で7000億元(1080億ドル、約12兆円)の資金が市場に流れ込む見通しです。

キャピタル・エコノミクスのマーク・ウィリアムズ主席中国担当エコノミストは、今回の決定を受け「20ヵ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の声明でも強調したように、政策担当者にはまだ手段が残っているとのメッセージを送った」とコメントしていました。

いずれにしても、1)自国で開催したG20の後である29日に上海総合が2.9%安、2014年11月以来の水準まで下落、2)人民元買い支えによる流動性不足、3)2015年に25年ぶり低成長——という事態打開のためには、ドラギ流「あらゆる対応を講じる」という姿勢を表明したかたちです。

中国はハイアールによるゼネラル・エレクトリック(GE)白物家電部門に54億ドル投じたように、米国を中心に買収・合併(M&A)に取り組んでいます。ブルームバーグによると、年初からの56日で米国でのM&A規模は800億ドル、2015年の65%に膨らみました。

人民元安なのにと思うなかれ。

米国や世界での市場シェア拡大と中国ブランドの普及という大義名分の影に、外貨獲得という意図が見え隠れします。

外貨準備高は潤沢とはいえ、2015年の下半期に外準を8000億ドルも急減させました。1月は995億ドル減の3.23兆ドルに落ち込んでいます。

中国の外準、足元で目に見えて減少中。

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(出所:Trending Economics)

企業が外貨で業績を挙げ税金を納めてくれれば、当局も万々歳ではないでしょうか。外準の穴埋めが出来るだけに、奨励しているのかとすら勘繰りたくなります。

(カバー写真:Ogbodo Solution/Flickr)


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2016年2月29日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。


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