5人に1人が東大!世間離れな国会議員の学歴事情

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国会議員って偉い人が多い、ってなんとなく感じていたりしていますが、その出身はどのような学歴なのか、国会議員を調べてみました。
前回は歴代総理の出身大学を調べてみましたが今回は国会議員です。

衆議院では20%、参議院では16%が東大!

使用するのは「国会議員要覧 平成27年2月版」(国政情報センター、編集・発行)。国会議員に関する情報がまとまった便利な手帳です。

出身大学

まず東大出身の議員ですが、衆議院100人、参議院38人あわせて138人と断トツで多くなっています。衆議院議員の定員が475人で、参議院議員の定員が242人ですから、衆議院では20%、参議院では16%を東大出身者が占めていることになります。日本の人口に占める東大生の割合はどんなに大きく見積もっても1%を超えることはありません。こう考えるといかに東大出身の議員が多いのかわかりますね。

続いて多いのが早稲田と慶應です。衆参合わせて早稲田出身が81人、慶應が80人とほぼ均衡しています。

地域に注目すると、京大以外はすべて東京の大学なのが印象的ですね。国会議員は全国津々浦々に選挙区を持っており、「地域の代表」とも言える存在ですが、高校卒業とともに東京の大学に進学し、そのまま東京で就職してしまうケースも増えているようです。東京一極集中は大学においても同様の問題と言えそうですね。

ランキングに載っていない有名国公立では、東北大が9人、神戸大が8人、一橋大が7人、北海道大が6人などです。国立大は私立大学に比べて学生の数も少ないので、健闘しているといえるのではないでしょうか。

海外大学院を出ている人は!?

日本を飛び出して海外の超有名大学などの大学院を卒業した国会議員は計89人いますが、彼らのうち45人は官僚や日本銀行出身です。国家公務員には留学制度があるので、多くの官僚の方がハーバードケネディスクールやコロンビア国際公共政策大学院で公共政策学や国際関係論を学ぶようです。そしてこうした官僚が政治家に転身した結果、超高学歴な議員がうまれることになります。

海外の大学院出身

また、この「官僚・日銀→海外留学→政治家」、というルートをたどった45人が学部時代にどこを卒業したか見てみると、東大38人、京大5人、東工大1人、早稲田1人という結果になりました。官僚には東大卒が多いということが改めて分かりますね!

大学をでていない議員は?

その一方で高校が出身の議員も25人います。高校どころか「日本を元気にする会」に所属する元プロレスラーアントニオ猪木氏は、中学を卒業した後、ブラジルに渡り仕事をしていますので、最終学歴は中卒。

政治家になるのは東大をはじめとするエリート層、頭の良い人たちが多いのはもちろんですが、国の政治を決定する政治家にエリートしかいないようでは社会の多様な価値観や意見を反映できなくなってしまうかもしれません。当たり前ですが、国会議員になるためには「大卒」という資格は存在しません。私たち有権者も学歴はバラバラ。その意味でも、いろんな層の人が国会議員になっているのはいいことかもしれないですね。

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増沢諒

増沢諒

1988年長野市出身。早稲田大学卒業後、ITベンチャーでの勤務を経て、現在、東工大大学院修士課程。研究テーマは「ネットと政治」。ネット選挙解禁を目指す活動「One Voice Campaign」をはじめとし、様々な啓蒙活動を展開。2014年マニフェスト大賞受賞。

Twitter : https://twitter.com/ryo_masuzawa

Webサイト : http://taberuseiji.com/


編集部より:この記事は、選挙ドットコム 2016年3月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は選挙ドットコムをご覧ください。