コンテンツ海外展開、成果は現れているか

2016年04月21日 11:30
知財本部コンテンツ会合。海外展開について。
政府:経産省、総務省、外務省の施策を評価・検証し、対策を検討します。

経産省
1) クールジャパン機構の投資–ジャパンチャンネルの展開、正規アニメネット販売、コンテンツローカライズ、海外人材育成など。
2) J-LOPによる海外展開支援。これにより初めて海外展開したのは260社。補正予算で権利情報データベース整備を進める。

総務省
放送コンテンツの海外展開は2013年度13か国43事業、14年度は14か国34事業。タイで北海道のコロッケ番組を流したら16万個が売れた。こういう波及効果を調査研究中。

外務省
国際交流基金による非商業的な放送コンテンツ紹介事業として、70か国330番組を提供。30億円予算。

コンテンツ海外展開が強化されるようになって5年以上がたち、政府報告のとおり措置も充実してきました。以前に比べると、政府は胸を張っています。ボールが民間に投げられた観もあり、数字としての成果が求められている状況です。

ここで内山委員が報告。
・地上テレビ番組の輸出は2008年93億円→2013年138億円。5年で48%増。
・映画は10年6560万ドル→15年11760万ドル=79%増。
・アニメ09年153億円→14年195億円=27%増。

2006年〜11年の5年間ではコンテンツ輸出は軒並み減少していました。ぼくの手元のデータでは、映画は10%、放送は28%減少していました。リーマンショックを契機とする世界不況が痛かった。しかしその後は大幅に回復。政府が力を入れた時期と符合します。成果は現れているとみてよいのでは。

ところがその間、世界情勢、特にコンテンツのネット流通を巡る状況がさまがわりしました。これをどうとらえばよいでしょう。

例えば、アニメ・映像の世界市場はネットフリックスとアマゾンが2大買い手。そこでの売上を伸ばすという戦略を国としてどうとらえましょうか。

海外売上増がミッションであるなら当然の戦術。むかし、コンテンツ売上増を国として考えるならハリウッド企業を国が買収するのが早いと申し上げボコられたことを思い出した。問いと答えはほぼ変わっていません。

ぼくがメモにとどめた 委員からの指摘。

野間委員:北米のマンガ売上は急拡大している。だが、マンガの電子書籍は国内2万タイトルに比べ、アメリカは100タイトル。まだまだ市場は広がる。
→マンガの電子書籍の国内市場は拡大中。海外も有望ですね。

瀬尾委員:データベースは各種でそろってきてはいるが、その間の連携が取られていない。インフラとしての整備が必要。
→デジタル特区CiPが取り組むアーティストコモンズは、その横串を指す企画でもあります。

重村委員:政府予算は9月に採択され、10~3月で制作・放送・評価が行われる。だから春や夏をテーマにした海外向け番組は作られない。単年度予算ではまっとうな制作・評価は不可能。
→単年度の補助金システムでは成長戦略は不可。まだ基金や出資のほうが親和性がありますね。

林委員:NHKのデジタルコンテンツ50万タイトルをもっと活用して海外展開すべき。
→賛成。受信料で作られたコンテンツ資産を国としてどう活かすのか。これはなかなか触れられてこなかった重要論点と考えます。


編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2016年4月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください。

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