都知事選。五輪返上を公約に掲げる候補者はいるか

2016年06月15日 23:30

どうも新田です。日本一早く都知事選連載を始めたにもかかわらず、中締めに考えていた第5回の執筆が遅れておりまして、すみません。そういうわけで舛添さんの辞職決定に伴い、早ければ7月31日投開票で次期都知事選の方向で検討されているようですが、桜井パパが在職中の事務次官としては異例の、去就を巡る記者会見をやったり、蓮舫さんが意味深なコメントをしたりして早くも都知事選メディアショーが幕を開けようとしております。

桜井事務次官、都知事選出馬を否定 「嵐」櫻井さんの父(朝日新聞デジタル;動画付き)http://www.asahi.com/articles/ASJ6H5GBYJ6HUTFK00Z.html?iref=comtop_8_07 

蓮舫氏「仲間の思いは大事にしたい」 都知事選出馬巡り
http://www.asahi.com/articles/ASJ6H6VXXJ6HUTFK025.html 

桜井パパが出てきたら出てきたで、アゴラ的には池田が手ぐすね引いて待っておったんですが(苦笑)、どうやら見送りの公算でしょうね。まあ、官僚だけど親族のネームバリューで知名度不足を補うという新手の候補者スタイルかとも思ったものの、やはり連載でも散々書いてますように首都特有のテレビ選挙事情にあっては、候補者自身にある程度の話題性も伴ってないと勝ち切れるとは断言しづらいところです。

蓮舫さんが出てもおかしくない理由

一方、蓮舫さんは2012年、14年の都知事選の頃から再三名前が挙がってました。これまでは国政へのこだわり、あわよくば将来的に初の女性宰相を視野に入れていたであろう状況から、固辞しておりましたが、この朝日のコメントを読む限りは、参院選への出馬準備をしている関係者への配慮はしつつも、政治環境が相当変わったこともあって、出馬に踏み切る可能性は意外に小さくないかもしれません。

去年の冬ごろ、参院選に向け、各党が争奪戦になっていた某有名人候補者を東京選挙区に擁立しようとして、民主党内では、蓮舫さんの東京の枠を譲る話まで出ていたそうですから、そろそろ政治家として違うステージに行こうというお気持ちはあるのかなとは感じていたところです。

蓮舫転出を一番願っているのは、あの馬主政治家 !?

なにより、この4年間、民進党自体がぶっちゃけベースで政権復帰の見通しが全く立っておりません。それどころか共産党と選挙協力しちゃったりとか、迷走がとどまるところを知らず、女性総理など夢のまた夢って状況です。もう一つは党内選挙事情。党勢が好転しない状況にあって、この夏の参院選東京選挙区では、民進党は性懲りも無く蓮舫さんに加えて、政界きっての競馬好きにして馬主でもあるホース小川こと、小川敏夫・元法相をそのままゲートインさせ、死地を走らせようとしています。2013年、私にとっても個人的にトラウマですが、当時の民主党は現職2人を擁立し、一本化に失敗した上に、うち1人を直前に公認を外したにもかかわらず、ホース小川も含む菅直人一派がその候補者を応援して共倒れという事態になりました。

今回は蓮舫さんが早々とトップで当確予想されているものの、ホース小川が最後の6枠目を、維新・田中康夫、無所属(実態は山本太郎となかまたち)・三宅洋平と壮絶な争いをすることが予想されており、伸び代のない労組票を足場にして、どこまで鼻差で差し切れるのかどうかだったわけで、蓮舫さんが都政転出となれば、労組票プラス、絶滅危惧種のような「民主党に確実に入れる無党派層」が入ることで、ほんのちょっとはゲタを履いた状態となるん感じでしょうか(数字的には怪しいけど)。てなわけで、実は蓮舫転出を万馬券配当並みに一番願っているのは小川馬主ってところだと思います。

さて、その都知事選ですが、早くもこの御仁のブログが関心を示しております。

希望のまち東京をつくる会 声明  都民のために働く都政の実現をめざして立ち上がります

私たちは、まもなく行なわれる都知事選挙において、前回の都知事選でともにたたかった人たち、また、さらに幅広く、多くの志を同じくする人たちと手を携え、知恵を集め、真にクリーンで都民のために働く都政の実現をめざして立ち上がります。

2016年6月15日 希望のまち東京をつくる会

そうです。「得票レベルが3桁違うドクター中松」とでもいうべき、毎度おなじみの顔になりつつある宇都宮けんぴょんさんなわけですが、都知事選の直前に参院選もありますし、政治的には親和性のある山本太郎、三宅洋平と一緒に街宣活動を繰り広げれば、まあ、それなりの宣伝効果はあるでしょう。

ただ、支持母体が曲がりなりにも「都民のために働く都政の実現」を掲げているだけに、そこは党派色を消したほうが一貫性があるとは思うんですがね。このままご本人がまたも出るのか、出た場合には社民党や小沢一郎・山本太郎とゆかいななかまたちあたりの、中央政党との距離をどう取るのかも見ものです。

大義なき都知事選でネタになりそうな争点

しかし都知事選も大義があまりあるように見えず、各陣営がどのような争点を設定するんでしょうか。もちろん二代続けてカネ絡みで辞任したので、クリーンな人を都政にするなどという論点が一番になるのですが、そんなことは当たり前。2020年代以降の超高齢化、インフラ更新問題などなど難題山積の都政を論じる選挙なのに、マスコミがそうした話に終始しそうなのは、むしろプリミティブ過ぎて一都民としては辟易します。

2014年の宇都宮さんは、ご案内のように「脱原発」を掲げましたが、あの時の細川さんも含めて、都知事が原発政策に関与できる余地はほとんどないタダのから騒ぎだったことは、記憶に新しいところです。しかし、都知事がコミットできる問題で、かつ強力なネタがあります。そりゃオリンピックかな、と。私が宇都宮さんの選挙参謀なら、オリンピック返上を公約に掲げて差別化しますね。大会招致成功時は、オリンピック開催に嫌悪感を持つ左翼リベラル界隈の人でも、さすがに公然と返上論を言いづらい雰囲気がありましたが、この問題もまさに前の都知事選の後、国立競技場問題をはじめとして迷走が続き、何よりも巨額の開催経費を払ってまで、たった2週間の国際体育祭をやる意義があるのか、疑問に感じる人も増えてきております。

五輪返上を掲げる陣営は、政策ブレーンの確保がカギ

そういえば青島さんも都市博中止を掲げて当選しましたが、分かりやすいネタで、シングルイシューに集約化することは選挙戦術的には王道です。左翼陣営の弱点である、行政やスポーツビジネス等で実務経験のある政策ブレーンを確保し、中止した場合のコストのほうが開催コストよりリーズナブルだと試算・立証したり、国際的影響の最小化する方策、あるいは開催コストを浮かせて高齢者・介護世帯向けの住宅インフラ充実化など、数字にうるさいビジネスパーソンの無党派層にも説得力あるかたちできちんと打ち出すことができれば、それなりに注目だけは集められるんじゃないっすか(棒)

とりあえず、けんぴょん陣営のネットスタッフは紅白歌合戦を見ながら、こんなお茶目なツイートをしちゃう人らしいので、どんなことをやらかすのか見ものです。約2年半ぶりに再掲します。

宇都宮ツイッター

あ、念のために申し上げておきますが、私は五輪招致論者であり、元スポーツ記者としてはオリンピックは東京で見たいと思っております。もうこれが日本で夏の大会を開催するのは最後だと思いますしね。いずれにせよ、テレビ選挙的な知名度優先のお祭り騒ぎに終わらず、地に足のついた政策論争をやっていただきたいと思います。ではでは。

<関連記事(個人ブログ)>

<アゴラ都知事選連載>

新田 哲史
アゴラ編集長/ソーシャルアナリスト
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新田 哲史
アゴラ編集長/株式会社ソーシャルラボ代表取締役社長/NPO法人ICPF 情報通信政策フォーラム理事

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