鳩山邦夫と舛添要一は東大法学部の同級生

八幡 和郎

鳩山邦夫元総務相が死去。お悔やみを申し上げたい。激やせ写真が出回っていたので心配していたところだ。

あまり知られていないが、舛添要一氏と昭和23年の同い年で両方とも昭和46年東京大学法学部卒業。私は46年入学だから入れ違いだ。

二人とも、学生時代から優秀な先輩として良く名前を聞いた伝説的秀才だ。鳩山氏は首席卒業と言われるし(公式には首席というものはない)、舛添氏の語学力は空前絶後だった。

しかし、鳩山氏は官僚や法曹など専門実務に進むのでなく、促成栽培での政界入りをめざして田中角栄の秘書になった。舛添氏はフランスやスイスに留学し、東京大学助教授になってマスコミの寵児になったが、大学を辞めてやがて政界に進出した。

鳩山氏はアイドルだったハーフの高見エミリーと結婚し、舛添氏はフランス美女や大蔵官僚と結婚して世上を驚かせた。 

1999年に二人が都知事選挙に出馬したときは、事前のテレビ討論会に私もコメンテーターとして参加して、失礼ながら法学部の先輩とは思えない法律論抜きの政策を掲げた鳩山氏を集中的に攻撃してノックアウト。舛添氏や柿沢弘治氏と溜飲を下げた(同じ法学部出身でも世襲的地位によりかかる鳩山氏には対抗心があるのは共通)

鳩山氏と舛添氏と二人ともありあまる才能を持ちながら、鳩山氏は自分の能力より世襲の力を恃んで安直に流れて振るわず、舛添氏はいろいろ考えすぎ動きすぎててドツボに転落。

しかし、私も含めオーソドックスに官僚などになった同世代の同級生が、日本の転落を防げなかったわけでもない。 

東京大学法学部の卒業生で総理になったのは、中曽根氏と宮沢喜一氏が最後。どうも本来、期待されるべき国家的責任を果たせてないのに内心忸怩たる思いどころではない。