ダッカ事件に見る民進党の反省なき危機対応観

2016年07月03日 14:40

岡田克也民進党代表が、ダッカの事件で予想通りとはいえ、喜々としてつまらない政府批判。安倍首相は選挙遊説を中止し、菅官房長官は予定通り新潟に向かったが、両方とも官邸にいて国家安全保障会議(NSC)に出席しろとお怒り。 

しかし、国内で起きたことや、日本から救出のための特殊部隊を送り込もうというならともかく、外務省がバングラ政府と連絡を取り、必要に応じて首相や外相が向こうに電話することくらいしかやることはないではないか。それは、総理がたとえば、外国にいたって国内のどこにいてもできる程度のことだ。 

ことにあたるについて各省庁の調整が必要というなら官房長官がいるべきだが、外交案件だからそういう問題ではない。それにあらゆる会議というのは、代理出席が許される限りは、本人である必然はない。

フクシマ事故のとき、大混乱している事故現場に首相自身が乗り込んで大混乱を引き起こしてもアリバイづくりを優先したときの与党の代表は、そのときのことをいまだ反省していないらしい。

おおさか維新の民進党アホ扱いで有名人になった足立康史代議士が、「何の罪もない多くの方々の命が奪われたことに強い憤りを覚えます。テロリストを強く非難するとともに、国内で政府の揚げ足取りに奔走する民進党に強く抗議します」といってるほうがまともだ。

もし、事件の重大性を深刻に感じて何かしたいなら、野党第一党党首にして元外務大臣の岡田克也氏は、滋賀県と兵庫県で遊説するなどやめて、東京に戻って、与野党上げて抗議の意志を明確にし、選挙運動の一時停止でも提案して喪に服したら良い。

おそらく、次は日本人だと分かって殺されたから安倍政権が有志連合に連帯したせいだと言い出すのではないか。それはたしかに、イスラム国との戦いにエールを送らず身代金でも気前よく払ったり、イスラム国や過激派の支配地域で人道支援でもして実質荷担でもすれば、殺す代わりに人質に取る事件が増えるかもしれない。

だが、そのことで、日本人の安全を確保するのを欧米に頼んでも手伝ってもらえない、欧米の平和維持の努力にただ乗りしていると非難され、身代金目当てに誘拐は急増するのが関の山だ。

民進党は政権をとったが失敗したのだから、未熟だったと反省して、より現実的でしたたかな政権担当能力のある党に生まれ変わらねばならないはず。それを、戦後一貫して自由と民主主義と敵対してきた党と組み、なんでも反対の現実性を持たない極左チックな勢力とも手を結び、それでは、代替可能性がないから少々気にくわないことがあっても自民党という閉塞状況に日本をもっていって、自分たちが得ようとしてるのはなんなのか、理解しがたい。 

それから、ここで、強調したいのは、警察と自衛隊で協力して銃撃戦部隊の育成と展開を急ぐことだ。ダッカの事件に限らず、最近のテロのように人質を取って何か要求するより殺人そのものが目的で、犯人は死ぬつもりだとなると、人命尊重で慎重に介入などしていたら犠牲者が増えるだけのことになる。強行介入は早ければ早いほどよい。 

これから国内でもそういうことがいつ起きるかもしれないのだから、よほどへんぴなところでない限りは、ごく短時間で本格的な銃撃戦ができる部隊を投入出来る体制が全国的に必要だ。警察だけでなく自衛隊も協力して、新しその種の事件が国内で起きてからでは泣く、そうういう部隊を大量に準備して欲しい。

アメリカの銃規制で、反対派が、銃社会なら大量殺人はできないといっているが、それは一面の真理だ。2011年にノルウェーで一人で77人を殺した事件があったが、武器のない社会での大量殺人をどう防ぐか、よほど真剣に対策を考えないといけないと思う。

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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学大学院教授

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